专利摘要:
ニューロパチーを治療するための方法および組成物。
公开号:JP2011515489A
申请号:JP2011502031
申请日:2009-03-25
公开日:2011-05-19
发明作者:ジョン・コミッショング
申请人:アマランタス・セラピューティクス・インコーポレイテッドAmarantus Therapeutics, Inc.;
IPC主号:A61K38-04
专利说明:

[0001] 相互参照
本出願は、2001年3月20日に出願の仮出願第60/277,516号の利益を請求した、2002年3月2日に出願の特許出願第10/102265号に関連し、それぞれの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、それらの出願に対しては米国特許法第120条および119条の下で優先権が請求される。]
[0002] 本発明は、ニューロンの生存を増加させるための組成物および方法に関する。末梢および中枢神経系(それぞれPNSおよびCNS)におけるニューロンの増殖、生存および分化は、標的由来、パラクリンおよびオートクリンの神経栄養因子に一部依存する。逆に言えば、神経栄養因子の不足は、パーキンソン病(Parkinson's disease)、アルツハイマー病および筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー−ゲーリック病)などの神経変性疾患の病因で一役担うと考えられる。ニューロン細胞培養では、神経栄養性支援は、星状細胞との共培養によって、または星状細胞から調製される順化培地(CM)の提供によって提供される。新線条体および大脳皮質などの他のCNS領域の星状細胞と比較して、腹側中脳起源の星状細胞は、腹側の中脳ドーパミン作動性ニューロンの生存の促進においてずっと大きな効力を発揮する。21日以上のインビトロ日数(DIV)の中脳長期培養では、ドーパミン作動性ニューロンの割合は20%から60%に増加し、星状細胞の単層の増殖と一致する。対照的に、星状細胞の増殖が阻害された条件では、GABA作動性ではなくドーパミン作動性のニューロンは、5DIVまでに培養からほとんど消滅した。これらの結果は、隣接するドーパミン作動性ニューロンの生存および発達のための同型由来の星状細胞の重要性を証明し、中脳星状細胞が中脳ドーパミン作動性ニューロンのための生理的、パラクリン神経栄養因子の供給源である可能性が高いことを示唆する。]
[0003] ニューロン生存を促進する分子を星状細胞が分泌すると繰り返し実証されたことによって、星状細胞は、神経変性疾患を治療する療法の探求の焦点となっている。多くの研究室が星状細胞由来の神経栄養因子の単離を試みたが、以下の大きな技術的問題によって妨害された。すなわち、血清は培養中の一次星状細胞の最適な成長のための培地の必須成分であるが、血清の存在は、順化培地に分泌される因子の以降の精製を妨害する。]
発明が解決しようとする課題

[0004] したがって、ニューロパチー疾患の治療を目的とする組成物および方法の必要性が残されている。]
課題を解決するための手段

[0005] 本発明の様々な態様で、神経障害の治療に関連する組成物および方法が提供される。一部の実施形態では、神経障害を治療するために、MANFおよび/またはその生物学的に機能的な断片が対象に投与される。一実施形態では、神経障害はパーキンソン病である。]
[0006] 本発明の他の態様では、MANFおよび/またはその生物学的に機能的な断片が1つまたは複数の治療薬と一緒に対象に同時投与される。一部の実施形態では、1つまたは複数の治療薬は、神経栄養因子である。]
[0007] 一実施形態では、MANFの有効量をパーキンソン(Parkinson)に罹患している対象に投与して、黒質(niagra)でGABA作動性末端からのGABAの放出を増加させることを含む、神経障害を治療する方法が提供される。別の実施形態では、MANFの有効量を神経障害に罹患している対象に投与し、その結果DAニューロンに対するグルタミン酸の興奮毒性作用の拮抗をもたらすことを含む、神経障害を治療する方法が提供される。さらなる実施形態では、神経障害はパーキンソン病である。]
[0008] 参照による組込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願が参照により組み込まれることが具体的におよび個々に示されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。]
[0009] 本発明の新規特徴は、添付の請求項において詳細に示される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明および付随する図面への参照によって得られる。]
図面の簡単な説明

[0010] 図1は、アフェタミン投与後のラットの累積同側回転動作を例示する。A=VEH+VEH;B=VEH+6OHDA;C=GDNF+6OHDA;D=MANF+6OHDA;E=GDNF+VEH;F=MANF+VEH。
図2は、成体の脳組織および発生中のマウス脳を含む様々な組織でのMANF1発現のRT−PCR分析を例示する。] 図1 図2
[0011] 本発明の好ましい実施形態を本明細書に示し、記載したが、そのような実施形態は例としてだけ提供されることは、当業者にとって明らかとなる。今では、本発明から逸脱することなく、多数の変形形態、変更および置換が当業者に思いつくであろう。本発明の実施において、本明細書に記載の本発明の実施形態への様々な代替形態を利用することができることを理解すべきである。下記の請求項が本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにそれらの同等物がそれらによってカバーされるものとする。]
[0012] 本発明は、中脳星状細胞由来神経栄養因子(MANF)を用いてニューロンの生存を増加させる組成物および方法に一般に関する。MANFは、インビトロでDAニューロンを選択的に保護し、インビボで脳の片側のドーパミン作動性ニューロン(DA)ニューロンの変性に起因する神経学的欠損を矯正する新しい神経栄養因子である。MANFの作用は、パーキンソン病(PD)の治療でそれを用いることができることを示す。さらに、MANFは、PDで死ぬDAニューロンが位置する脳の同じ領域である、腹側の中脳において高レベルで発現される。MANFは、黒質でのGABA作動性末端からのGABAの放出を増加させもした。GABAは、DAニューロンへのグルタミン酸の興奮毒性作用に拮抗する。本明細書の開示は、PD患者の脳にMANFの2つの標的があることを証明する。1)DAニューロンの細胞体。2)黒質のシナプス前GABA作動性末端。]
[0013] 一態様では、本発明は神経系の疾患または障害を有する患者を治療する方法を特徴とする。実質的に精製されたMANFポリペプチドのドーパミン作動性ニューロン生存促進量を患者に投与する工程を含む方法。]
[0014] 第2の態様では、本発明は、哺乳動物でドーパミン作動性ニューロン細胞死を予防する方法を特徴とする。この方法は、実質的に精製されたMANFポリペプチドのドーパミン作動性ニューロン生存促進量を哺乳動物に投与する工程を含む。]
[0015] 第3の態様では、ヒトなどの哺乳動物の神経系に細胞を移植する方法であって、(i)哺乳動物の神経系に細胞を移植すること、および(ii)細胞の移植の2〜4時間前から細胞の移植の2〜4時間後までの時間ウインドウ中に、MANFポリペプチドのドーパミン作動性ニューロン生存促進量を哺乳動物に投与することを含む方法。]
[0016] 第4の態様では、本発明は、ヒトなどの哺乳動物の神経系に細胞を移植する別の方法を特徴とする。この方法は、(a)細胞をMANFポリペプチドと接触させる工程、および(b)工程(a)の細胞を哺乳動物の神経系に移植する工程を含む。一実施形態では、工程(a)および工程(b)を互いに4時間以内に実施することが望ましい。]
[0017] 本明細書で証明されるように、ドーパミン作動性ニューロンの維持、生存または増殖は、MANFポリペプチドの投与を通して高められる。中脳のドーパミン作動性ニューロンは、パーキンソン病を有する患者では死滅する。したがって本発明は、パーキンソン病の治療法を提供する。さらに、ドーパミン作動性ニューロンの欠損が存在するか予測される神経系の障害または疾患の治療でのMANFポリペプチドの使用が、本発明に含まれる。]
[0018] MANFがドーパミン作動性ニューロンの生存に関与するという発見は、ドーパミン作動性ニューロン生存促進薬剤の同定のための様々な診断試験およびアッセイでMANFを用いることを可能にする。MANF発現は、ヒトが神経変性障害の危険があるかどうかを判定するための診断ツールの役目を果たすこともできる。この診断方法は、患者応答(例えば、効力の増減または化合物もしくは薬剤の投与時の望ましくない副作用)の予測を含む、患者遺伝子型による薬剤治療の調整(薬理ゲノミクスと呼ばれる)をもたらすことができる。]
[0019] 本発明の第5の態様は、1つまたは複数の追加の治療薬の組合せでMANFを投与することによって、ドーパミン作動性ニューロンの生存を高める方法を特徴とする。一部の実施形態では、そのような治療薬は、CDNF、GDNF、MANF2またはそれらの組合せである。一実施形態では、MANFはヒトの脳の黒質領域に投与される。さらなる実施形態では、脳への細胞の移植の前、その間または後に、MANFは脳の黒質領域に投与される。追加の実施形態では、MANFは、本明細書に記載される1つまたは複数の追加の治療薬と併用投与される。黒質は、被蓋(覆い)から基部(足)を分離する中脳の不均一な部分であり、基底核系の主要要素である。それは、強く対照をなす2つのアンサンブル、緻密部および隣接したドーパミン作動群、ならびに網様部および外側部で形成される別のアンサンブルからなる。後者の2つは、淡蒼球核とともに、基底核のコアの要素である。緻密黒質および周囲の組織は、脳でドーパミン産生の役割を担う。]
[0020] さらに別の態様では、本発明は、候補化合物がMANF媒介性のドーパミン作動性ニューロン生存促進活性を調節するかどうかを判定する方法であって、(a)MANFポリペプチドを提供すること、(b)MANFポリペプチドを候補化合物と接触させること、および(c)MANF生物活性を測定することを含み、化合物と接触していないMANFポリペプチドのそれと比較して変化したMANF生物活性は、候補化合物がMANF生物活性を調節することを示す方法を特徴とする。MANFポリペプチドは、細胞アッセイ系または無細胞アッセイ系にあってもよい。]
[0021] 別の態様では、本発明は、候補化合物が神経変性の低減に有用であるかどうかを判定する方法であって、(a)MANFポリペプチドを提供する工程、(b)ポリペプチドを候補化合物と接触させる工程、および(c)MANFポリペプチドの結合を測定する工程を含み、MANFポリペプチドの結合は、候補化合物が神経変性の低減に有用であることを示す方法を特徴とする。]
[0022] 本発明は、MANF生物活性を強化または模倣する因子を同定するための、スクリーニング方法も特徴とする。強化剤のためのこれらのスクリーニング方法では、MANFの発現、安定性または生物活性を増加させる候補化合物の能力を、標準の技術を用いて試験する。MANFに結合する候補化合物は、強化剤として作用することができる。模倣体(例えば、MANF受容体に結合する化合物)は、MANFポリペプチドの不在下で作用することができる化合物である。]
[0023] 「実質的に精製された」は、ポリペプチド(例えば、MANFポリペプチド)が、本来それに付随する成分から分離されていることを意味する。一般的に、それが本来結合しているタンパク質および天然に存在する有機分子が少なくとも60重量%それから除かれている場合、そのポリペプチドは実質的に精製されている。好ましくは、ポリペプチドは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも99重量%純粋である。実質的に精製されたポリペプチドは、例えば、天然供給源(例えば、神経細胞)からの抽出によって、ポリペプチドをコードする組換え体核酸の発現によって、またはそのタンパク質を化学合成することによって得ることができる。純度は、任意の適当な方法、例えば、カラムクロマトグラフィー、ポリアクリルアミドゲル電気泳動またはHPLC分析によって測定することができる。]
[0024] それがその本来の状態でそれに付随する汚染物から分離されている場合、ポリペプチドは、本来結合している成分を実質的に含まない。したがって、化学合成されるか、またはそれが本来由来する細胞と異なる細胞系で生成されるポリペプチドは、その本来結合している成分を実質的に含まない。したがって、実質的に精製されたポリペプチドには、真核生物体に天然に存在するが、大腸菌(E. coli)または他の原核生物で合成されるものが含まれる。]
[0025] 「ポリペプチド」または「タンパク質」は、グリコシル化またはリン酸化などの翻訳後修飾に関係なく、2つを超えるアミノ酸の任意の鎖を意味する。]
[0026] 「薬学的に許容される賦形剤」は、それと一緒に投与されるポリペプチドの治療特性を保持しつつ、治療される哺乳動物に生理的に許容される賦形剤、担体または希釈剤を意味する。1つの例示的な薬学的に許容される担体は、生理食塩水である。他の生理的に許容される担体およびそれらの製剤は、当業者に公知であり、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, (20th ed.) ed. A. R. Gennaro A R., 2000, Lippencott Williams & Wilkinsに記載されている。]
[0027] 「ドーパミン作動性ニューロン生存促進活性」を有する化合物は、その化合物の存在が、ドーパミン作動性ニューロン生存アッセイ(例えば本明細書で記載のもの)において、その化合物の不在下でのドーパミン作動性ニューロンの生存と比較して少なくとも2倍ドーパミン作動性ニューロンの生存を増加させることを意味する。ドーパミン作動性ニューロンの生存の増加は、少なくとも3倍、より好ましくは少なくとも4倍、最も好ましくは少なくとも5倍であってもよい。アッセイは、インビトロのアッセイまたはインビボのアッセイであってもよい。]
[0028] 前に示されている(Commissiong et al.、米国特許出願公開第2002/0182198号または特許出願第10/102265号)ように、中脳起源の細胞系(「VMCL−1」と呼ぶ)は、ドーパミン作動性ニューロンの分化および生存をその次に促進する因子を分泌する。この細胞系は、無血清培地で逞しく(robustly)増殖する。さらに、これらの細胞から調製されるCMは、中脳ドーパミン作動性ニューロンの生存を少なくとも3倍増加させ、それらの発達も促進する、1つまたは複数のドーパミン作動性ニューロン生存因子を含む。]
[0029] Commissiong et al.は、VMCL−1細胞系からのMANFの精製も示した。タンパク質は、以下の通りに単離された。3L容量のVMCL−1順化培地を調製し、カラムクロマトグラフィーの5つの逐次工程にかけた。各精製工程で、各カラム分画を、上で言及したバイオアッセイで生物活性について試験した。ドーパミン作動性ニューロン生存に対する各分画の効果の推定を、5日間にわたって24時間の間隔で実施し、1〜10の段階で評価した。第5の精製工程の後、生物活性分画および隣接した不活性分画を、SDS−PAGEによって分析した。SDS−PAGE分析の結果は、活性分画からのレーンの20kDa範囲で特徴的なタンパク質バンドを明らかにした。「活性」バンドを切り取り、トリプシン分解にかけ、バックグラウンドより上の各ペプチドの分子質量および配列を質量分析で決定した。以下の2つのペプチド配列、DVTFSPATIEおよびQIDLSTVDLを同定した。データベースの検索は、ヒトのアルギニンリッチタンパク質およびそのマウス相同分子種の一致を確認した。マウスEST配列によってコードされる予測されたタンパク質は、予測されたヒトタンパク質と約95%同一である。ラットESTデータベースの検索は2つの配列を明らかにし、1つ(dbEST Id:4408547、EST名称:EST348489)は、アミノ酸レベルでヒトおよびマウスのタンパク質にかなりの相同性を有していた。完全長ラット配列は、GenBankデータベースになかった。]
[0030] さらに、Commissiong et al.は、アルギニンリッチアミノ末端がカルボキシ末端から分離されてヒトpro−MANFを生成するように、ヒトARPが切断されることを発見した。切断されたカルボキシ末端断片はシグナルペプチドを含み、細胞からのヒトMANFの分泌をもたらす。]
[0031] タンパク質療法
本発明の一態様では、MANFまたはその生物学的に機能的な断片は、対象を予防的に治療するために、またはニューロパチーの対象を治療するために対象に投与される。例えば、一部の実施形態では、対象は、ドーパミン作動性ニューロンの維持を強化するため、および/またはその増殖を促進するために治療される。本発明の方法での使用が企図される様々な投薬製剤が、本明細書で下に開示される。]
[0032] 様々な実施形態では、本発明の中の治療手法は、可能なまたは実際の細胞欠損部位に直接に(例えば、注射によって)、または全身的に(例えば、任意の従来の組換え体タンパク質投与技術によって)組換え体MANFポリペプチドを投与することを含む。]
[0033] 一実施形態では、投与は脳の黒質領域および/または腹側中脳領域に対してである。]
[0034] 本発明の追加の実施形態は、上で述べた治療効果のいずれかのための、薬学的に許容される担体と併用される医薬組成物の投与に関する。そのような医薬組成物は、MANFポリペプチド、MANFポリペプチドに対する抗体、および/またはMANFポリペプチドの模倣薬およびアゴニストからなることができる。]
[0035] 本発明の様々な実施形態では、MANFの分泌された形態および/または非分泌形態が、ドーパミン作動性ニューロンの増殖または生存を高めるために対象に投与される。MANFの分泌された形態および非分泌形態(MANFポリペプチドと総称する)は、神経栄養活性を有し、パーキンソン病などの神経変性疾患の治療のための、およびヒトへの移植の間またはその後にドーパミン作動性ニューロンの生存を向上させるための神経栄養性因子として有用である。MANFポリペプチドは、移植のためのニューロンのインビトロ生成を向上させるために用いることもできる。別の使用では、MANFポリペプチドは、MANFのドーパミン作動性ニューロン生存促進活性を調節または模倣する化合物の同定のために用いることができる。MANFポリペプチドは、MANF受容体の同定のために用いることもできる。これらの用途の各々は、後にさらに詳しく記載する。]
[0036] ドーパミン作動性ニューロンの生存を促進する神経栄養因子としてのMANFの発見は、パーキンソン病などの神経変性疾患の治療のためのその使用を可能にする。]
[0037] 一実施形態では、MANFの有効量をパーキンソンに罹患している対象に投与することを含む、黒質でのGABA作動性末端からのGABAの放出を増加させることによってパーキンソンを治療する方法が提供される。さらなる実施形態では、投与は、本明細書で開示される1つまたは複数の追加の治療薬を同時投与することを含む。さらなる実施形態では、MANFの有効量をパーキンソンに罹患している対象に投与すること、あるいはMANFおよび本明細書で開示される1つまたは複数の追加の治療薬を投与することを含む、DAニューロンに対するグルタメートの興奮毒性作用に拮抗することによってパーキンソンを治療する方法が提供される。]
[0038] 別の実施形態では、MANFポリペプチドは、対象へ細胞が移植される部位に投与される。MANFポリペプチドの投与は、細胞の移植の前、その間またはその後に実施することができる。好ましくは、2つの工程は互いに約4時間以内にある。望ましいならば、細胞移植の前および/またはその後に様々な間隔で、MANFポリペプチドを対象に繰り返し投与することができる。MANFポリペプチドのこの保護的投与は、細胞移植の数カ月後、または数年後にさえ起きてもよい。本発明の様々な態様で有用な移植方法および組成物には、米国特許出願公開第20080058221号、第20080050728号、第20080014246号、第20070275938号に開示されるものが含まれる。]
[0039] 例えば、パーキンソン病の動物モデル(脳病巣によって誘発されたげっ歯動物)へのMANFの投与は、著しい治療効果をもたらした。黒質のドーパミン作動性ニューロンの近くに注入され、ドーパミン輸送体(DAT)を通してドーパミン作動性ニューロンに選択的に取り込まれた神経毒、6−水酸化ドーパミン(6−OHDA)によって脳のドーパミン作動性ニューロンを病変させた。6−OHDAは、脳の注入された側で、ドーパミン作動性ニューロンを選択的に破壊する。DAの放出に形成されたアンバランスは、脳の無傷の側に動物を回転させる(Mendez and Finn, 1975)。表1は、ビヒクル(VEH)とGDNFまたはMANFによる治療との間での回転回数の差を示す。]
[0040] ]
[0041] 結果は、120分のモニタリングの間、MANFの投与が累積回転を減少させることを証明する。回転が多いほど、線条体での脳誘導病変の影響が激しい。]
[0042] ヒトまたは他の哺乳動物へのその投与に加えて、MANFポリペプチドは、移植前の任意の時間のそれらの生成の間、ニューロンの生存を向上させるために培養で用いることもできる。一実施例では、移植される細胞は、生存促進量のMANFポリペプチドも含む薬用担体に懸濁される。MANFポリペプチドは、その過程の初期(例えば、ニューロンが先ず分化するとき)に、培養に投与することもできる。ニューロンは、一次ドーパミン作動性ニューロンである必要性がないと理解される。ニューロンを生成することができる幹細胞または任意の他の細胞からインビトロまたはインビボで分化するニューロン(例えば、ドーパミン作動性ニューロン)は、それらの生成および維持の間、MANFポリペプチドの存在下で培養することができる。]
[0043] ニューロン死を予防するためにMANFポリペプチドを細胞に加えるために、そのタンパク質を発現することができる培養細胞系から十分な量の組換え体MANFポリペプチドを得ることが好ましい。好ましいMANFポリペプチドはヒトMANFであるが、他の動物(例えば、ブタ、ラット、マウス、イヌ、ヒヒ、ウシなど)に由来するMANFポリペプチドを用いることもできる。次に、患部組織へのタンパク質のデリバリーは、適当な包装または投与システムを用いて達成することができる。あるいは、MANFアゴニストとして作用するように小分子類似体を用い、投与することができ、それらはこのように所望の生理作用をもたらすことができる。]
[0044] 遺伝子治療
広義には、遺伝子治療は、患者の細胞に新しい遺伝子物質を導入して、患者に治療的利点をもたらすことを目指す。そのような利点には、広範囲の疾患、障害および他の状態の治療または予防が含まれる。]
[0045] 本発明は、導入遺伝子を含む組換え体神経向性ウイルスベクターを投与することによって対象のCNSに導入遺伝子を送達する方法であって、そのデリバリーが、投与部位の遠位の部位での導入遺伝子の発現を有利にする条件下である方法を提供する。デリバリーは、投与部位での導入遺伝子の発現をもたらすこともできる。例えば、当技術分野で公知である遺伝子治療の方法が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第20090069261号に開示されている。]
[0046] 具体的に否定されていない限り、導入遺伝子の発現はポリペプチドまたはタンパク質への翻訳に限定されず、導入遺伝子ポリヌクレオチドの複製および/または転写も含む。]
[0047] 別の態様では、本発明は、パーキンソン病などの障害を起こした哺乳動物の、ニューロンまたはグリア細胞であるCNSの標的細胞に治療的導入遺伝子生成物を送達する方法を提供する。]
[0048] エキソビボの遺伝子治療手法は単離細胞の改変を含み、それらは次に患者に注入、接ぎ木、またはさもなければ移植される。例えば、米国特許第4,868,116号、第5,399,346号および第5,460,959号を参照。インビボ遺伝子治療は、インビボで宿主患者組織を直接に標的にすることを目指す。]
[0049] 遺伝子導入ベクターとして有用なウイルスには、パポバウイルス、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルスおよびレトロウイルスが含まれる。適するレトロウイルスには、HIV、SIV、FIV、EIAV、MoMLVからなる群が含まれる。]
[0050] 中枢神経系の障害の治療のための好ましいウイルスは、レンチウイルスおよびアデノ随伴ウイルスである。両種のウイルスは細胞分裂なしでゲノムに一体化することができ、両種は、前臨床動物試験で神経系、特に中枢神経系で適用について試験されている。]
[0051] AAVの調製方法は当技術分野で記載され、例えば、米国特許第5,677,158号、米国特許第6,309,634号および米国特許第6,451,306号は、中枢神経系へのMVのデリバリーの例を記載する。]
[0052] 本発明の方法では、任意の血清型のAAVを用いることができる。特定の実施形態では、ベクターが、疾患障害を起こした脳で退行性軸索内輸送を、または障害を起こしていない脳で軸索内輸送を受けることができる限り、任意の血清型のAAVを用いることができる。本発明の特定の実施形態で用いられるウイルスベクターの血清型は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、MV5、AAV6、AAV7およびAAV8からなる群から選択される[例えば、Gao et al. (2002) PNAS, 99:11854-11859およびViral Vectors for Gene Therapy: Methodsand Protocols, ed. Machida, Humana Press, 2003を参照]。本明細書に記載のもの以外の他の血清型を用いることができる。さらに、本明細書で記載される方法で偽型AAVベクターを利用することもできる。偽型AAVベクターは、第2のAAV血清型のカプシドに1つのAAV血清型のゲノムを含むもの、例えば、AAV2カプシドおよびAAV1ゲノムを含むAAVベクター、またはAAV5カプシドおよびAAV2ゲノムを含むAAVベクターである[Auricchio et al., (2001) Hum. Mol. Genet., 10(26):3075-81]。]
[0053] AAVベクターは、哺乳動物に非病原性である一本鎖(ss)DNAパルボウイルスから誘導される[Muzyscka (1992) Curr. Top. Microb. Immunol., 158:97-129でレビューされている]。簡潔には、AAVに基づくベクターは、取り出されるウイルスゲノムの96%を占めるrepおよびcapウイルス遺伝子を有し、2つの連なる145塩基対(bp)の逆方向末端反復(ITR)を残し、それらは、ウイルスDNAの複製、パッケージングおよび組込みを開始するために用いられる。ヘルパーウイルスの不在下では、野生型AAVは、染色体19q13.3が優先部位特異性の位置でヒト宿主細胞ゲノムに組み込まれるか、それはエピソームで発現されたままであり得る。単一のAAV粒子は最高5kbのssDNAを収容することができ、したがって、導入遺伝子および調節エレメントのために約4.5kbを残し、それは一般的に十分である。しかし、例えば米国特許第6,544,785号に記載されるトランススプライシング系は、この制限をほとんど倍増することができる。]
[0054] 特別な好ましい種類のレトロウイルスには、細胞に形質導入させることができ、細胞分裂なしでそのゲノムに一体化することができるレンチウイルスが含まれる。したがって好ましくは、ベクターは複製に欠陥のあるレンチウイルス粒子である。そのようなレンチウイルス粒子は、5’レンチウイルスLTR、tRNA結合部位、パッケージシグナル、前記融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドシグナルに作動可能的に連結されるプロモーター、第2鎖DNAの合成起点および3’レンチウイルスLTRを含むレンチウイルスベクターから生成することができる。レンチウイルスの調製および神経細胞へのインビボ投与の方法は、米国特許第20020037281号(レンチウイルスベクターを用いて神経細胞に形質導入させる方法)および米国特許第20020187951号(神経変性疾患のためのレンチウイルス媒介成長因子遺伝子治療)に記載されている。]
[0055] 本発明で用いるMANFの組換え体発現のためのベクターの構築は、当業者に詳細な説明を必要としない従来の技術を用いて達成することができる。しかし、レビューについては、当業者はMolecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, (NY 1982)中のManiatis et al.を参考にされたい。]
[0056] 本発明で用いるキメラ発現構築物は、例えばPCRによって所望の断片(シグナル配列およびMANFコード配列)を増幅し、重複PCRでこれらを融合させることによって作製することができる。好ましいシグナル配列のいくつかは比較的短いので、MANFコード配列の増幅のために用いられる5’PCRプライマーは、シグナル配列をコードする配列だけでなく、TATAボックスおよび他の調節エレメントを含むことができる。]
[0057] 簡潔には、組換え体発現ベクターの構築は、標準の連結技術を使用する。構築されたベクターで正しい配列を確認するための分析のために、遺伝子は、例えば、Messing, et al.(Nucleic AcidsRes., 9: 309-, 1981)の方法、Maxam, et al.(Methods in Enzymology, 65: 499, 1980)の方法、または当業者に公知となる他の適する方法を用いる配列である。]
[0058] 遺伝子の発現は、転写、翻訳または翻訳後レベルで調節される。転写の開始は、遺伝子発現の初期の重要な事象である。これはプロモーターおよびエンハンサー配列に依存し、これらの配列と相互作用する特定の細胞因子によって影響される。多くの遺伝子の転写単位は、プロモーターおよび、場合によってはエンハンサーまたは調節因子エレメントからなる[Banerji et al., Cell 27: 299 (1981)、Corden et al., Science 209: 1406 (1980)およびBreathnach and Chambon, Ann. Rev. Biochem. 50: 349 (1981)]。レトロウイルスについては、レトロウイルスゲノムの複製に関与する調節エレメントは、長い末端反復配列(LTR)に存在する[Weiss et al., eds., The molecular biology of tumor viruses: RNA tumor viruses, Cold Spring Harbor Laboratory, (NY 1982)]。モロニーマウス白血病ウイルス(MLV)およびラウス肉腫ウイルス(RSV)のLTRは、プロモーターおよびエンハンサー配列を含む[Jolly et al., Nucleic Acids Res. 11: 1855 (1983)、Enhancer and eukaryotic gene expression, Gulzman and Shenk, eds., pp. 101-102, Cold Spring Harbor Laboratories (NY 1991)中のCapecchi et al.]。長期の活性を示し、組織特異的で、細胞特異的でさえあるプロモーターが、一部の実施形態で用いられる。プロモーターの非限定的な例には、それらに限定されないが、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター[Kaplitt et al. (1994) Nat. Genet. 8:148-154]、CMV/ヒト.ベータ.3−グロビンプロモーター[Mandel et al. (1998) J. Neurosci. 18:4271-4284]、GFAPプロモーター[Xu et al. (2001) Gene Ther. 8:1323-1332]、1.8kbニューロン特異的エノラーゼ(NSE)プロモーター[Klein et al. (1998) Exp. Neurol. 150:183-194]、ニワトリβアクチン(CBA)プロモーター[Miyazaki (1989) Gene 79:269-277]、.ベータ.−グルクロニダーゼ(GUSB)プロモーター[Shipley et al. (1991) Genetics 10:1009-1018]、ならびに米国特許第6,667,174号に記載のヒトユビキチンA、ヒトユビキチンBおよびヒトユビキチンCから単離されたものなどのユビキチンプロモーターが含まれる。発現を長くするために、他の調節エレメント、例えばウッドチャック肝炎ウイルス調節後エレメント(WPRE)[Donello et al. (1998) J. Virol. 72:5085-5092]またはウシ成長ホルモン(BGH)ポリアデニル化部位を、導入遺伝子に作動可能的にさらに連結することができる。]
[0059] いくつかの非ウイルス性プロモーターのプロモーターおよびエンハンサー領域も記載されている[Schmidt et al., Nature 314: 285 (1985)、Rossi and decrombrugghe, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 5590-5594 (1987)]。静止細胞で導入遺伝子の発現を維持、増加させる方法は、コラーゲンI型(1および2)[Prockop and Kivirikko, N. Eng. J. Med. 311: 376 (1984)、Smith and Niles, Biochem. 19: 1820 (1980)、de Wet et al., J. Biol. Chem., 258: 14385 (1983)]、SV40およびLTRプロモーターを含むプロモーターの使用を含む。]
[0060] 本発明の一実施形態によると、プロモーターは、ユビキチンプロモーター、CMVプロモーター、JeTプロモーター(米国特許第6,555,674号)、SV40プロモーターおよび伸長因子1αプロモーター(EF1−α)からなる群から選択される構成的プロモーターである。誘導可能/抑制可能なプロモーターの例には、Tet−On、Tet−Off、ラパマイシン誘導可能なプロモーター、M×1が含まれる。]
[0061] 導入遺伝子発現を誘起するためにウイルス性および非ウイルス性プロモーターを用いることに加えて、導入遺伝子発現レベルを増加させるためにエンハンサー配列を用いることができる。エンハンサーは、それらの天然の遺伝子だけでなく一部の外来遺伝子の転写活性も増加させることができる[Armelor, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 70: 2702 (1973)]。例えば、本発明では、導入遺伝子発現を増加させるために、コラーゲンエンハンサー配列をコラーゲンプロモーター2(I)と用いることができる。さらに、導入遺伝子発現を増加させるために、SV40ウイルスで見出されるエンハンサーエレメントを用いることができる。それらのすべては参照により本明細書に組み込まれているGruss et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 943 (1981)、Benoist and Chambon, Nature 290: 304 (1981)およびFromm and Berg, J. Mol. Appl. Genetics, 1: 457 (1982)によって記載されるように、このエンハンサー配列は72塩基対の反復からなる。この反復配列は、それが様々なプロモーターと直列に存在する場合、多くの異なるウイルスおよび細胞の遺伝子の転写を増加させることができる[Moreau et al., Nucleic AcidsRes. 9: 6047 (1981)]。]
[0062] さらなる発現強化配列には、それらに限定されないが、ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節エレメント、WPRE、SP163、ラットInsulinil−イントロンまたは他のイントロン、CMVエンハンサーおよびニワトリ[β]−グロビンインシュレータまたは他のインシュレータが含まれる。]
[0063] 導入遺伝子発現は、プロモーター活性を調節するためにサイトカインを用いて、長期間安定した発現のために増加させることもできる。いくつかのサイトカインが、コラーゲン2(I)およびLTRプロモーターからの導入遺伝子の発現を調節することが報告されている[Chua et al., connective Tissue Res., 25: 161-170 (1990)、Elias et al., Annals N.Y. Acad. Sci., 580: 233-244 (1990)、Seliger et al., J. Immunol. 141: 2138-2144 (1988)およびSeliger et al., J. Virology 62: 619-621 (1988)]。例えば、形質転換成長因子(TGF)、インターロイキン(IL)−Iおよびインターフェロン(INF)は、LTRなどの様々なプロモーターによって誘起される導入遺伝子の発現を下方制御する。腫瘍壊死因子(TNF)およびTGF1は、プロモーターによって誘起される導入遺伝子の発現を上方制御するので、その調節のために用いることができる。有用であると証明することができる他のサイトカインには、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)および上皮成長因子(EGF)が含まれる。]
[0064] コラーゲンエンハンサー配列(Coll(E))を有するコラーゲンプロモーターは、その免疫保護状態にもかかわらず、処置された脳で生じ得る、ベクターに対するさらなるいかなる免疫応答も抑制することによって、導入遺伝子発現を増加させるために用いることもできる。さらに、ステロイドを含む抗炎症剤、例えばデキサメタゾンは、治療した宿主にベクター組成物のデリバリーの直後に投与することができ、また好ましくは、サイトカイン媒介性炎症応答がおさまるまで続けることができる。LTRプロモーターおよびColl(E)プロモーター−エンハンサーを下方制御して導入遺伝子発現を減少させるインターフェロンの生成を減少させるために、シクロスポリンなどの免疫抑制剤を投与することもできる。]
[0065] ベクターは、Creリコンビナーゼタンパク質をコードする配列およびLoxP配列などの、さらなる配列を含むことができる。ニューブラスチン(neublastin)の一時的発現を確保するさらなる方法は、細胞へのCreリコンビナーゼの投与(Daewoong et al, Nature Biotechnology 19:929-933)後に、またはウイルス構築物へリコンビナーゼをコードする遺伝子を組み込むこと(Pluck, Int J Exp Path, 77:269-278)によって、挿入DNA配列の部分的切除をもたらすCre−LoxP系の使用によるものである。LoxP部位および構造遺伝子(この場合はニューブラスチン)と一緒にウイルス構築物にリコンビナーゼの遺伝子を組み込むことは、約5日間の構造遺伝子の発現をしばしばもたらす。]
[0066] 例示的な実施形態では、AAVはAAV2またはAAV1である。多くの血清型、特にAAV2のアデノ随伴ウイルスは、遺伝子治療ベクターとして広く研究され、特徴づけられた。当業者は、機能的AAVに基づく遺伝子治療ベクターの調製に精通していよう。ヒト対象への投与のためのAAVの生成、精製および調製の様々な方法への多数の言及を、膨大な公開文献で見出すことができる(例えば、Viral Vectors for Gene Therapy: Methodsand Protocols, ed. Machida, Humana Press, 2003を参照)。さらに、CNSの細胞を標的にするAAVに基づく遺伝子治療が、米国特許第6,180,613号および第6,503,888号に記載されている。さらなる例示的なAAVベクターは、ヒトタンパク質をコードする、組換え体AAV2/1、AAV2/2、AAV2/5、AAV2/7およびAAV2/8血清型ベクターである。]
[0067] 一部のCNS遺伝子治療適用については、転写活性を調節することが必要であり得る。このために、例えば、Haberma et al. (1998) Gene Ther. 5:1604-16011およびYe et al. (1995) Science 283:88-91に記載される様々な調節エレメントおよび薬剤応答性プロモーターを含めることによって、ウイルスベクターによる遺伝子発現の薬理学的調節を得ることができる。]
[0068] 本発明の方法では、ニューロンの末端軸索終末を、導入遺伝子を運ぶウイルスベクターを含む組成物と接触させ、ウイルス粒子が飲食され、軸索に沿ってニューロン細胞体へ細胞内(逆行的)輸送されることを可能にし、治療的導入遺伝子生成物を発現させることであって、治療的導入遺伝子生成物がそれによって対象で病状を軽減することによって、ウイルスベクターを投与することができる。特定の実施形態では、組成物中のベクターの濃度は、少なくとも(a)5、6、7、8、8.4、9、9.3、10、15、20、25もしくは50(1012gp/ml)、(b)5、6、7、8、8.4、9、9.3、10、15、20、25もしくは50(X109tu/ml)または(c)5、6、7、8、8.4、9、9.3、10、15、20、25もしくは50(X1010iu/ml)である。]
[0069] 本発明のさらなる方法では、ニューロン細胞体を、導入遺伝子を運ぶウイルスベクターを含む組成物と接触させ、ウイルス粒子が飲食されることを可能にし、治療的導入遺伝子生成物を発現させ、軸索に沿ってニューロンの軸索末端へ順行的に細胞内輸送されることを可能にすることであって、治療的導入遺伝子生成物がそれによって対象で病状を軽減することによって、ウイルスベクターを投与することができる。特定の実施形態では、組成物中のベクターの濃度は、少なくとも(a)5、6、7、8、8.4、9、9.3、10、15、20、25もしくは50(1012gp/ml)、(b)5、6、7、8、8.4、9、9.3、10、15、20、25もしくは50(X109tu/ml)または(c)5、6、7、8、8.4、9、9.3、10、15、20、25もしくは50(1010iu/ml)である。]
[0070] ヒト脳の構造物の同定のためには、例えば、The Human Brain: Surface, Three-Dimensional Sectional Anatomy WithMRI, and Blood Supply, 2nd ed., eds. Deuteron et al., Springer Vela, 1999、Atlas of the Human Brain, eds. Mai et al., Academic Press; 1997およびCo-Planar Sterotaxic Atlas of the Human Brain: 3-Dimensional Proportional System: An Approach to Cerebral Imaging, eds. Tamarack et al., Thyme Medical Pub., 1988を参照。マウス脳の構造物の同定のためには、例えばThe Mouse Brain in Sterotaxic Coordinates, 2nd ed., Academic Press, 2000を参照。図1は、脊髄およびその4つの小区分、すなわち頸部、胸部、腰部および仙椎を図式的に示す。] 図1
[0071] さらなる重要なパラメータは、標的組織に送達されるMANFの投薬量である。この点に関しては、「単位投薬量」は、一般にMANF組成物のNeurturin/mlの濃度を指す。ウイルスベクターについては、MANF濃度は、神経栄養組成物のmlあたりのウイルス粒子数によって定義することができる。最適には、ウイルスの発現ベクターを用いるMANFのデリバリーのために、MANFの各単位投薬量は、2.5〜25μLのMANF組成物を含み、そこにおいて、組成物は薬学的に許容される液体にウイルスの発現ベクターを含み、MANF組成物1mlにつき1010〜10.sup.15のMANF発現ウイルス粒子を提供する。そのような高い力価は、アデノ随伴ウイルスのために特に有用である。レンチウイルスについては、力価は通常それより低く、例えば、実施例に記載されているように測定して、1mlにつき10.sup.8〜10.sup.10の形質導入単位(TU/mL)である。]
[0072] 好ましい実施形態では、投与部位は、脳の線条体、特に尾状核および/または被殻である。被殻への注射は、脳の様々な離れた領域、例えば、淡蒼球、扁桃、視床下核または黒質に位置する標的部位を標識することができる。淡蒼球での細胞の形質導入は、視床の細胞の退行性標識を通常引き起こす。好ましい実施形態では、標的部位(複数可)(またはその1つ)は、黒質である。注射は、線条体および黒質の両方にであってもよい。]
[0073] 所与の標的部位内では、ベクター系は標的細胞に形質導入させることができる。標的細胞は、神経組織で見出される細胞、例えばニューロン、星状細胞、希突起膠細胞、ミクログリアまたは脳室上衣細胞であってもよい。好ましい実施形態では、標的細胞はニューロン、特にTH陽性ニューロンである。]
[0074] ベクター系は、好ましくは直接の注射によって投与される。脳(特に線条体)への注射のための方法は、当技術分野で周知である[Bilang-Bleuel et al (1997) Proc. Acad. Natl. Sci. USA 94:8818-8823、Choi-Lundberg et al (1998) Exp. Neurol. 154:261-275、Choi-Lundberg et al (1997) Science 275:838-841およびMandel et al (1997)) Proc. Acad. Natl. Sci. USA 94:14083-14088]。定位注射を与えることができる。]
[0075] 上記のように、脳などの組織での形質導入のためには、極小容量を用いる必要性があるので、ウイルス調製物は超遠心によって濃縮される。生じる調製物は、少なくとも10.sup.8t.u./ml、好ましくは108〜1010t.u./ml、より好ましくは少なくとも109t.u./mlを有するべきである。[力価は、実施例2に記載のように、1mlあたりの形質導入単位(t.u./ml)で表される]。注射部位の数を増加させ、注射の速度を低下させることによって、導入遺伝子発現の改善された分散を得ることができることが見出された[上記のHorellou and Mallet (1997)]。通常、1〜10個、より一般には2〜6つの注射部位が用いられる。1〜5×109t.u./mlを含む用量のために、注射の速度は、一般には0.1〜10μl/分、通常約1μl/分である。]
[0076] MANF組成物は、微量注入、注入、スクレープローディング、エレクトロポレーション、または外科的切開を通してデリバリー部位組織に直接に組成物を直接送達するために適する他の手段によって、標的組織の各デリバリー細胞部位に送達される。デリバリーは徐々に、例えば約5〜10分間にわたって(送達されるMANF組成物の総容量次第で)達成される。]
[0077] 改変
本発明の他の態様では、MANFは対象への投与の前に改変される。]
[0078] 本発明の改変タンパク質は、アミノ酸の欠失および/または置換を有することができる。したがって、欠失を有するタンパク質、置換を有するタンパク質ならびに欠失および置換を有するタンパク質が、改変タンパク質である。一部の実施形態では、これらの改変タンパク質は、例えば融合タンパク質またはリンカーを有するタンパク質などで、挿入または付加アミノ酸をさらに含むことができる。]
[0079] 置換型または交換型変異体は、タンパク質の1つまたは複数の部位での1つのアミノ酸の別のものとの交換を一般に含み、特にその免疫原性/抗原性を低下させるか、対象で任意の副作用を低減させるか、その効力を増加させるために、ポリペプチドの1つまたは複数の特性を調節するように設計することができる。この種類の置換は好ましくは保存的であり、すなわち、1つのアミノ酸が類似した形および電荷の1つで置換される。保存的な置換は当技術分野で周知であって、その例には、例えば、アラニンからセリン、アルギニンからリジン、アスパラギンからグルタミンまたはヒスチジン、アスパラギン酸からグルタミン酸、システインからセリン、グルタミンからアスパラギン、グルタミン酸からアスパラギン酸、グリシンからプロリン、ヒスチジンからアスパラギンまたはグルタミン、イソロイシンからロイシンまたはバリン、ロイシンからバリンまたはイソロイシン、リジンからアルギニン、メチオニンからロイシンまたはイソロイシン、フェニルアラニンからチロシン、ロイシンまたはメチオニン、セリンからスレオニン、スレオニンからセリン、トリプトファンからチロシン、チロシンからトリプトファンまたはフェニルアラニン、およびバリンからイソロイシンまたはロイシンが含まれる。ポリペプチドの抗原性領域で、より抗原性でない領域を置換することができ、より抗原性でない領域は、天然のタンパク質の対応する残基と同一である残基を含むことができるが、また、いくつかの保存的置換および/または非保存的置換を含むこともできる。]
[0080] 欠失または置換に加えて、改変タンパク質は残基の挿入を有することができ、それは一般的にポリペプチドに少なくとも1つの残基の付加を含む。これは、ターゲティングペプチドまたはポリペプチドまたは単に単一の残基の挿入を含むことができる。融合タンパク質と呼ばれる末端付加については、下で述べる。]
[0081] 用語「生物学的機能的同等物」は、当技術分野で周知であり、本明細書でさらに詳細に定義される。したがって、タンパク質の生物活性が維持される限り、天然のポリペプチドのアミノ酸と同一であるか機能的に等しいアミノ酸の約70%〜約80%、または約81%〜約90%、またはさらに約91%〜約99%を有する配列が含まれる。改変タンパク質は、その天然の対応物と生物学的機能的に同等であることができる。様々な実施形態では、MANFの生物学的機能的同等物は、治療的有効量で投与される。]
[0082] また、アミノ酸および核酸配列が、追加のN末端もしくはC末端のアミノ酸または5’もしくは3’配列などの追加の残基を含むことができ、それでもまだ、タンパク質発現が関係する場合に生物学的タンパク質活性の維持を含む上で示す基準を配列が満たす限り、事実上、本明細書で開示される配列の1つに記載されるものであることができることも理解されよう。末端配列の付加は、例えば、コード領域の5’または3’部分に連なる様々な非コード配列を含むことができるか、または遺伝子内部で生成することが知られている様々な内部配列、すなわち、イントロンを含むことができる核酸配列に特に適用される。]
[0083] 以下は、同等の、またはさらに改善された第二世代の分子を作製するための、タンパク質のアミノ酸の変更に基づく議論である。例えば、特定のアミノ酸で、構造物、例えば基質分子との結合部位とのインタラクティブな結合能力をあまり失うことなしに、タンパク質構造の他のアミノ酸を置換することができる。そのタンパク質の生物学的機能的活性を定義するのはタンパク質のインタラクティブ能力および性質であるので、特定のアミノ酸置換をタンパク質配列に、およびその根底にあるDNAコード配列に加えることができ、しかも類似した特性を有するタンパク質を生成することができる。したがって、下で述べるように、それらの生物学的有用性または活性をあまり失うことなしに、遺伝子のDNA配列に様々な変更を加えることができることが、発明者らによって企図される。表1は、特定のアミノ酸をコードするコドンを示す。以下の「相同性基準」の1つを満たす場合、タンパク分子は第2のタンパク分子との「相同性」を有するか、これと「相同である」とみなされる。1)タンパク分子の少なくとも30%は、第2のタンパク分子と同じ位置で配列同一性を有する;2)第2のタンパク分子と同じ位置に多少の配列同一性があり、同一でない残基では、本明細書で記載されるように、それらの少なくとも30%は第2のタンパク分子に関して保存的な差である;または3)タンパク分子の少なくとも30%は、第2のタンパク分子と配列同一性を有するが、同一の残基の間に同一でない残基の可能なギャップがある。本明細書で用いるように、用語「相同の」は、全体の分子の代わりに、タンパク分子の領域に等しく適用することができる。用語「相同性」または「相同の」が数字によって、例えば「50%相同性」または「50%相同」のように限定される場合、1)、2)および3)に関して、相同性基準は「少なくとも30%」から「少なくとも50%」に調整される。したがって、2つのタンパク分子またはタンパク分子の部分の間に、少なくとも30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上の相同性があることができることが企図される。]
[0084] そのような変更を加えることにおいて、アミノ酸のハイドロパシー指数を考慮してもよい。タンパク質にインタラクティブ生物機能を付与することにおけるハイドロパシーアミノ酸指数の重要性は、当技術分野で一般に理解されている(Kyte & Doolittle, 1982)。アミノ酸の相対的なハイドロパシー特性がもたらされるタンパク質の二次構造に寄与し、それはタンパク質と他の分子、例えば酵素、基質、受容体、DNA、抗体、抗原などとの相互作用を次に定義すると受け取られている。]
[0085] 類似アミノ酸の置換を親水性に基づいて効果的に加えることができることも、当技術分野で理解されている。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4,554,101号は、その隣接するアミノ酸の親水性によって支配される、タンパク質の最も大きな局所平均親水性は、タンパク質の生物的特性に相関すると述べている。米国特許第4,554,101号で詳述されるように、以下の親水性値がアミノ酸残基に割り当てられている。アルギニン(+3.0)、リジン(+3.0)、アスパラギン酸(+3.0±1)、グルタミン酸(+3.0±1)、セリン(+0.3)、アスパラギン(+0.2)、グルタミン(+0.2)、グリシン(0)、スレオニン(−0.4)、プロリン(−0.5±1)、アラニン(−0.5)、ヒスチジン(−0.5)、システイン(−1.0)、メチオニン(−1.3)、バリン(−1.5)、ロイシン(−1.8)、イソロイシン(−1.8)、チロシン(−2.3)、フェニルアラニン(−2.5)、トリプトファン(−3.4)。]
[0086] 類似した親水性値を有する別のものをアミノ酸で置換し、しかも生物学的に等しく、免疫学的に等しいタンパク質を生成することができると理解されている。そのような変更では、その親水性値が±2であるアミノ酸の置換が好ましく、±1であるものが特に好ましく、±0.5であるものがさらに特に好ましい。]
[0087] 上で概説するように、アミノ酸置換は、一般にアミノ酸側鎖置換基の相対的な類似性、例えばそれらの疎水性、親水性、電荷、サイズなどに基づく。様々な上記の特性を考慮する例示的な置換が当業者に周知であり、以下のものが含まれる。アルギニンおよびリジン、グルタミン酸およびアスパラギン酸、セリンおよびスレオニン、グルタミンおよびアスパラギン、ならびにバリン、ロイシンおよびイソロイシン。]
[0088] 本発明による改変ポリペプチドの調製のための別の実施形態は、ペプチド模倣薬の使用である。模倣薬は、タンパク質二次構造の要素を模倣するペプチド含有分子である。例えば、Johnson (1993)を参照。ペプチド模倣薬の使用の根底にある根拠は、タンパク質のペプチド骨格が、主に、抗体および抗原のそれらなどの分子相互作用を促進するような方法でアミノ酸側鎖を配置するために存在するということである。ペプチド模倣体は、天然の分子に類似する分子相互作用を可能にすると予想される。これらの原理は、天然タンパク質の天然の特性の多くを有するが、変化させられた、場合によってはさらに改善された特性を有する第二世代の改変タンパク質分子を工作するために、上で概説した原理と一緒に用いることができる。]
[0089] a.融合タンパク質(Fusion Proteins)
特定の種類の挿入型変異体は、MANFまたはその生物学的機能的変異体を含む融合タンパク質である。この分子は、第2のポリペプチドのすべてまたは一部にN末端またはC末端で連結される、天然分子のすべてまたはかなりの部分を一般に有する。例えば、融合は一般的に他の種からのリーダー配列を使用して、異種宿主でのタンパク質の組換え発現を起こさせる。別の有用な融合は、融合タンパク質のターゲティングまたは精製を促進するために、抗体エピトープまたは他の標識などの免疫学的に活性なドメインの付加を含む。標識としての6×HisおよびGST(グルタチオンSトランスフェラーゼ)の使用は、周知である。融合接合点またはその近くへの切断部位の組入れは、精製後の無関係なポリペプチドの除去を促進する。他の有用な融合は、ヒドロラーゼなどの酵素からの活性部位などの機能的ドメイン、グリコシル化ドメイン、細胞のターゲティングシグナルまたは膜貫通領域の連結を含む。]
[0090] b.複合タンパク質(Conjugated Proteins)
本発明の一態様では、MANFまたはその生物学的機能的断片は結合される。例えば、様々な実施形態では、本発明は、複合ポリペプチド、例えば少なくとも1つの剤に連結されて複合体を形成する翻訳されたタンパク質、ポリペプチドおよびペプチドをさらに提供する。抗体部分が特定の部位を剤の標的にする、抗体複合体が特に有用である。診断薬または治療薬としての抗体分子の効力を増加させるために、従来、少なくとも1つの所望の分子または部分を連結または共有結合するかまたは複合体を形成させる。そのような分子または部分は、少なくとも1つのエフェクターまたはリポーター分子であってもよいが、それに限定されるものではない。エフェクター分子は、所望の活性、例えば、細胞増殖活性または細胞傷害活性を有する分子を含む。抗体に結合されているエフェクター分子の限定されない例には、成長剤、毒素、抗腫瘍剤、治療用酵素、放射標識ヌクレオチド、抗ウイルス剤、キレート化剤、サイトカイン、成長因子およびオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが含まれる。対照的に、リポーター分子は、アッセイを用いて検出することができる任意の部分と定義される。抗体に結合されているリポーター分子の限定されない例には、酵素、放射性標識、ハプテン、蛍光標識、リン光性分子、化学発光分子、発色団、ルミネッセンス分子、光親和性分子、着色粒子またはリガンド、例えばビオチンが含まれる。]
[0091] 抗体複合体の特定の例は、検出可能な標識に抗体が連結される複合体である。「検出可能な標識」は、それらの特異的機能的特性、および/または化学特性のために検出することができる化合物および/または元素であって、その使用は、それらが結合される抗体の検出、および/または所望によりさらなる定量化を可能にする。別のそのような例は、細胞傷害剤または抗細胞剤に連結されている抗体を含む複合体の形成で、「免疫毒素」と呼ぶことができる。]
[0092] i.リンカー/連結剤
本発明の別の態様では、MANFまたはその1つまたは複数の生物学的機能的断片は、上に述べたような融合で、または以下のようなリンカーもしくは連結剤を通して結合される。MANFの結合に用いることができるリンカー型の例には、ヒドラゾン、チオエーテル、エステル、ジスルフィドおよびペプチド含有リンカーが含まれるが、これらに限定されない。例えば低いpHによる切断に感受性であるか、カテプシン(例えば、カテプシンB、C、D)などのプロテアーゼによる切断に感受性であるリンカーを選択することができる。例えば、複数のペプチドまたはポリペプチドを、生物学的に放出可能な結合、例えば選択的に切断が可能なリンカーまたはアミノ酸配列を通して結合することができる。例えば、腫瘍環境中に優先的に位置するかそこで活性な酵素の切断部位を含むペプチドリンカーが企図される。そのようなペプチドリンカーの例示的な形は、ウロキナーゼ、プラスミン、トロンビン、因子IXa、因子Xaまたはメタロプロテイナーゼ、例えばコラゲナーゼ、ゼラチナーゼまたはストロメライシンによって切断されるものである。あるいは、ペプチドまたはポリペプチドをアジュバントに結合することができる。タンパク部分を分離するために、選択的に切断が可能なリンカー、合成リンカーまたは他のアミノ酸配列などのアミノ酸を用いることができる。]
[0093] 4.タンパク質精製
本発明の実施形態のいくつかは組換え体タンパク質を含むが、本発明は、内因性ポリペプチドおよびペプチドならびに組換え体ポリペプチドおよびペプチドを含む、タンパク質を精製する方法および工程にも関する。一般に、これらの技術は、1つのレベルでは、ポリペプチドおよび非ポリペプチド分画への細胞環境の粗分画を含む。ポリペプチドを他のタンパク質から分離した後、クロマトグラフィーおよび電気泳動技術を用いて関心のあるポリペプチドをさらに精製し、部分的または完全な精製(または均一まで精製)を達成することができる。純粋なペプチドの調製に特に適している分析法は、イオン交換クロマトグラフィー、排除クロマトグラフィー;ポリアクリルアミドゲル電気泳動;等電集束法である。ペプチドを精製する特に効率的な方法は、高速タンパク質液体クロマトグラフィー、またはさらにHPLCである。さらに、そのような技術が実行される条件は、機能的活性などの、精製された分子の影響特性であってもよい。]
[0094] 本発明の特定の態様は、コードされたタンパク質またはペプチドの精製に、特定の実施形態では実質的な精製に関する。本明細書で用いる用語「精製されたタンパク質またはペプチド」は、他の成分から分離できる組成物を指すものとし、そこにおいて、タンパク質またはペプチドは、その天然に入手できる状態と比較して任意の程度に精製される。したがって、精製されたタンパク質またはペプチドは、それが天然に存在することができる環境から遊離したタンパク質またはペプチドも指す。「実質的に精製された」タンパク質またはペプチド]
[0095] 一般に、「精製された」は、様々な他の成分を除去するために分画にかけられ、その発現される生物活性を実質的に保持するタンパク質またはペプチドの組成物を指す。用語「実質的に精製される」が用いられる場合、この指摘は、タンパク質またはペプチドが組成物の主要な成分を形成し、例えば組成物中のタンパク質の約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.2%、約99.4%、約99.6%、約99.8%、約99.9%またはそれ以上を構成する組成物を指す。]
[0096] タンパク質またはペプチドの精製度を定量化するための様々な方法が、本開示に照らして当業者に公知となる。これらには、例えば、活性分画の比活性を測定すること、またはSDS/PAGE分析によって分画中のポリペプチドの量を評価することが含まれる。分画の純度を評価するための好ましい方法は、分画の比活性を計算すること、それを最初の抽出物の比活性と比較すること、およびこのようにして、本明細書で「精製倍数(-fold purification number)」によって評価される純度を計算することである。活性の量を表すために用いられる実際の単位は、精製を追跡するために選択される特定のアッセイ技術、および発現されるタンパク質またはペプチドが検出可能な活性を示すかどうかに当然依存する。]
[0097] タンパク質の精製で使用するために適する様々な技術が、当業者に周知となる。これらには、例えば、硫安、PEG、抗体などによる沈殿、または熱変性、およびそれに続く遠心分離;イオン交換、ゲルろ過、逆相、ヒドロキシルアパタイトおよびアフィニティークロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー工程;等電集束法;ゲル電気泳動;ならびにそれらおよび他の技術の組合せが含まれる。当技術分野で周知であるように、様々な精製工程を行う順序を変更することができ、または特定の工程を省略しても、実質的に精製されたタンパク質またはペプチドの調製に適する方法を提供することができると考えられている。]
[0098] タンパク質またはペプチドが、それらの最も精製された状態で常に提供されるべきという一般要件はない。実際、より実質的にでなく精製された生成物が、特定の実施形態で有用性を有すると考えられる。部分精製は、より少ない精製工程を組合せで用いて、または同じ一般精製スキームの異なる形を利用することによって達成することができる。例えば、HPLC装置を利用して実行する陽イオン交換カラムクロマトグラフィーは、より低い圧力のクロマトグラフィー系を利用する同じ技術よりも大きな「倍数」の精製を一般にもたらすことが理解される。より低い程度の相対的精製を示す方法は、タンパク質生成物の全回収という利点、または発現タンパク質の活性を維持するという利点を有することができる。]
[0099] ポリペプチドの移動は、SDS/PAGE(Capaldi et al., 1977)の条件の違いによって、時にはかなり異なることができることが知られている。したがって、異なる電気泳動条件の下では、精製されたか部分的に精製された発現生成物の見かけの分子量は、異なることができることが理解される。]
[0100] 本発明の方法および組成物と組み合わせたペプチド標識(tag)の使用も、意図される。標識(tag)は、2つのポリペプチドの間の相互作用を利用する。例えば、GST標識(tag)を含む化合物の濃縮にグルタチオンビーズを用いることができるように、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)の結合性領域を標識(tag)として用いることができる。抗体またはT細胞受容体によって認識されるアミノ酸領域である、エピトープ標識を用いることができる。融合タンパク質がその核酸分子によってコードされるように、改変タンパク質をコードする核酸セグメントに作動可能に連結される核酸セグメントによって標識をコードすることができる。他の適する融合タンパク質は、βガラクトシダーゼ、ユビキチン、ヘキサヒスチジン(6×His)などによるものである。さらに、一部の実施形態では、MANFまたはその生物学的機能的断片は、従来から公知である、タンパク質の検出およびモニタリングに利用される蛍光標識(tag)(例えば、GFP、eGFP)によって標識される。]
[0101] 医薬組成物
本明細書で記載される治療的タンパク質の医薬組成物は、本発明の範囲内である。本発明の一態様では、MANFまたはMANFおよび1つまたは複数の追加の治療薬を含む医薬組成物が対象に投与されて、予防効果または治療効果を達成する。そのような組成物は、MANFまたはその機能的断片の治療的または予防的に有効量を含む。そのような追加の1つまたは複数の治療薬の例には、「神経栄養因子」であるタンパク質、または「神経栄養因子」であるタンパク質をコードする核酸が含まれるが、これらに限定されない。神経栄養因子は、分化を促進し、成熟した表現型を維持し、栄養支援を提供して、ニューロンの増殖および生存を促進する成長因子である。神経栄養因子は、神経系または神経分布組織に存在する。以下は、神経栄養因子として記載されている:塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)、線毛神経栄養因子(CNTF)、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア由来神経栄養因子(GDNF)、ニューロトロフィン−3(NT3)、NT4/5、インスリン様成長因子(IGF−1)、IGF−II、NT−4、IL−1β、TNFα、形質転換成長因子β(TGF−β、TGF−β1)、MANF(NTN)、ペルセフィン(PSP)、アルテミンおよびAL−1。神経栄養因子の使用は当業者に周知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第20010011126号、米国特許第6,284,540号、第6,280,732号、第6,274,624号、第6,221,676号で見出すことができる。参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,111,075号に開示されるように、Par4の使用は当業者に周知である。様々な実施形態では、神経障害を治療する方法が本発明の範囲に企図され、そこにおいて、MANFまたはその機能的断片は、1つまたは複数の神経栄養因子と一緒に対象に同時投与される。]
[0102] 本発明の様々な実施形態では、MANFまたはその機能的断片を含む医薬組成物は、例えば、pH、モル浸透圧濃度、粘度、透明度、色、等張性、匂い、無菌性、安定性、溶解速度または放出速度、組成物の吸着または浸透を改変、維持または保存するための製剤原料をさらに含むことができる。適する製剤原料には、それらに限定されないが、アミノ酸(例えばグリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジン);抗微生物剤;抗酸化剤(例えばアスコルビン酸、亜硫酸ナトリウムまたは亜硫酸水素ナトリウム);緩衝剤(例えばホウ酸塩、重炭酸塩、トリス−HCl、クエン酸塩、リン酸塩、他の有機酸);増量剤(例えばマンニトールまたはグリシン)、キレート化剤[例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)];錯化剤(例えばカフェイン、ポリビニルピロリドン、β−シクロデキストリンまたはヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン);充填剤;単糖;二糖および他の炭水化物(例えばグルコース、マンノースまたはデキストリン);タンパク質(例えば血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリン);着色剤;着香料および希釈剤;乳化剤;親水性ポリマー(例えばポリビニルピロリドン);低分子量ポリペプチド;塩形成性対イオン(例えばナトリウム);保存剤(例えば塩化ベンザルコニウム、安息香酸、サリチル酸、チメロサール、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロルヘキシジン、ソルビン酸または過酸化水素);溶媒(例えばグリセリン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール);糖アルコール(例えばマンニトールまたはソルビトール);懸濁剤;界面活性剤または湿潤剤(例えばプルロニック、PEG、ソルビタンエステル、ポリソルベート、例えばポリソルベート20、ポリソルベート80、トリトン、トロメタミン、レシチン、コレステロール、チロキサパル);安定性増進剤(スクロースまたはソルビトール);張性増進剤(例えばハロゲン化アルカリ金属(好ましくは塩化ナトリウムまたは塩化カリウム、マンニトールソルビトール);デリバリービヒクル;希釈剤;賦形剤および/または医薬用アジュバントが含まれる。(Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A. R. Gennaro, ed., Mack Publishing Company, 1990)。]
[0103] 医薬組成物は1つまたは複数の不活性賦形剤を含むことができ、それらには、水、緩衝水溶液、界面活性剤、揮発性液体、デンプン、ポリオール、造粒剤、微結晶性セルロース、希釈剤、滑沢剤、酸、塩基、塩、乳剤、例えば油/水乳剤、油、例えば鉱油および植物油、湿潤剤、キレート化剤、抗酸化剤、滅菌溶液、錯化剤、崩壊剤などが含まれる。緩衝溶液は一般的に生理的pHであり、より詳細には、一般的に標的組織のpHに緩衝される。]
[0104] 好ましい賦形剤には、以下のものが含まれる:水、リン酸緩衝食塩水溶液、商品名Miglyol 840(Huls America,Inc.Piscataway、N.J.から)の下で入手可能な中間鎖脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、商品名Miglyol 812(Hulsから)の下で入手可能な中間鎖脂肪酸のトリグリセリドエステル;商品名Vertrel 245(E.I.DuPont de Nemours and Co.Inc.Wilmington、Del.から)の下で入手可能なペルフルオロジメチルシクロブタン;商品名オクタフルオロシクロブタン(PCRGainsville、Fla.から)の下で入手可能なペルフルオロシクロブタン;商品名EG 400(BASFParsippany、N.J.から)の下で入手可能なポリエチレングリコール;メントール(Pluess−Stauffer International Stanford、Conn.から);商品名ラウログリコール(Gattefosse Elmsford、N.Y.から)の下で入手可能なプロピレングリコールモノラウレート、商品名Transcutol(Gattefosseから)の下で入手可能なジエチレングリコールモノエチルエーテル;商品名Labrafac Hydro WL 1219(Gattefosseから)の下で入手可能な中間鎖脂肪酸のポリグリコール化グリセリド;アルコール、例えばエタノール、メタノールおよびイソプロパノール;(Pluses−Stauffer Internationalから)入手可能なユーカリ油:およびそれらの混合物。]
[0105] 本発明の化合物には、アミノ酸誘導体が含まれる。好ましい界面活性剤は化合物のナトリウム塩の形であることができ、それには一ナトリウム塩の形を含めることができる。適するナトリウム塩界面活性剤は、高速重合化、デリバリーに適する小さな粒子サイズの生成、良好な重合収率、凍結融解および保存安定性を含む安定性、改善された表面張力特性ならびに潤滑特性を含む、望ましい特性に基づいて選択することができる。]
[0106] 本発明の医薬組成物および剤形を形成するために用いることができる界面活性剤には、それらに限定されないが、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤およびそれらの混合物が含まれる。すなわち、親水性界面活性剤の混合物を使用することができ、親油性界面活性剤の混合物を使用することができ、または少なくとも1つの親水性界面活性剤および少なくとも1つの親油性界面活性剤の混合物を使用することができる。]
[0107] 他の適する水性ビヒクルには、リンガー液および等張性の塩化ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。水性懸濁液には、懸濁剤、例えばセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドンおよびトラガカントゴム、ならびにレシチンなどの湿潤剤を含めることができる。水性懸濁液のために適する保存剤には、エチルおよびn−プロピルp−ヒドロキシベンゾアートが含まれる。]
[0108] 本発明の医薬組成物および剤形を形成するために用いることができるキレート化剤には、それらに限定されないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTA二ナトリウム、エデト酸二ナトリウムカルシウム、EDTA三ナトリウム、アルブミン、トランスフェリン、デスフェロキサミン、デスフェラル(desferal)、デスフェロキサミンメシレート、EDTA四ナトリウムおよびEDTA二カリウム、メタケイ酸ナトリウムまたはこれらのいずれかの組合せが含まれる。]
[0109] 本発明の医薬組成物および剤形を形成するために用いることができる滑沢剤には、それらに限定されないが、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、軽油、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール、他のグリコール、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、水素化植物油(例えば、落花生油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油)、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸エチル、エチルラウリエート(laureate)、寒天またはそれらの混合物が含まれる。]
[0110] 本発明の医薬組成物および剤形を形成するために用いることができる増粘剤には、それらに限定されないが、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ネオペンタノン酸イソデシル、スクアレン、鉱油、C12〜C15ベンゾエートおよび水素化ポリイソブテンが含まれる。非イオン性増粘剤などの、最終生成物の他の化合物を破壊しないであろう剤が、特に好ましい。さらなる増粘剤の選択は、当業者の技術の範囲内である。]
[0111] 保存後の腐敗を予防するために、すなわち酵母およびカビなどの微生物の増殖を阻害するために、抗微生物剤などの他の剤を加えることもできる。適する抗微生物剤は、p−ヒドロキシ安息香酸のメチルおよびプロピルエステル(すなわち、メチルおよびプロピルパラベン)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、イミド尿素、ピューライト(purite)、過酸化物、過ホウ酸塩およびそれらの組合せからなる群から一般に選択される。]
[0112] 本発明の医薬組成物および剤形を形成するために用いることができる保存剤には、それらに限定されないが、ピューライト、過酸化物、過ホウ酸塩、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、フェノキシエタノール、塩化ベンザルコニウムを含む塩化アルコニウム、メチルパラベン、エチルパラベンおよびプロピルパラベンが含まれる。]
[0113] 製剤
様々な実施形態では、本明細書で開示される1つまたは複数の治療薬の製剤は、本発明の範囲内である。例えば、様々な実施形態では、非経口製剤は、液体溶液または懸濁液の形であることができ、経口投与のためには、製剤は錠剤またはカプセルの形であることができ、鼻腔内製剤のためには、粉末、点鼻またはエアゾールの形であってもよい。]
[0114] 製剤の作製のための当技術分野で周知である方法は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, (20th ed.) ed. A. R. Gennaro AR., 2000, Lippencott Williams & Wilkinsにおいて見出すことができる。非経口投与のための製剤は、例えば、賦形剤として滅菌の水または生理食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物起源の油を含むことができ、または水素化されたナフタレン、生体適合性、生物分解性のラクチドポリマー、もしくはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体を、本因子の放出を調節するために用いることができる。本因子のための他の潜在的に有用な非経口送達系には、エチレン酢酸ビニル共重合体粒子、浸透ポンプ、移植可能な注入系およびリポソームが含まれる。吸入のための製剤は、賦形剤として例えば乳糖を含有することができ、または、例えば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸またはデオキシコール酸を含む水溶液であっても、または点鼻の形での投与のため、もしくは鼻腔内適用されるゲルとしての油性溶液であってもよい。]
[0115] 本因子を唯一の活性剤として用いること、または他の有効成分、例えば神経系疾患でドーパミン作動性ニューロン生存を促進することができる他の成長因子、またはペプチダーゼもしくはプロテアーゼ阻害剤と併用することができる。]
[0116] 本発明の製剤中の本因子の濃度は、投与される薬量および投与経路を含むいくつかの事項によって異なる。]
[0117] 一般に、本発明の因子は、非経口投与のために約0.1〜10w/v%のポリペプチドを含む水性生理的緩衝溶液で提供することができる。一般的な用量範囲は、1日につき体重1kgあたり約1mg〜約1gである。]
[0118] 一部の実施形態では、用量範囲は、1日につき体重1kgあたり約0.01mg/kg〜100mg/kgである。投与される好ましい薬量は、対処されている病態生理状態の種類および進行の程度、患者の全体的健康、製剤の構成および投与経路によるであろう。]
[0119] 句「薬用または薬理的に許容される」は、動物、例えばヒトに適切に投与される場合、有害反応、アレルギー反応または他の厄介な反応を起こさない分子実体および組成物を指す。少なくとも1つのIL−1受容体アンタゴニストまたはさらなる有効成分を含む医薬組成物の調製は、参照により本明細書に組み込まれるRemington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990に例示されるように、本開示を踏まえて当業者に公知となる。さらに、動物(例えば、ヒト)への投与のために、調製物が、FDAOffice of Biological Standardsによって要求される、無菌性、発熱性、一般安全性および純度規格を満たすべきであることが理解されよう。]
[0120] 本明細書で用いるように、「薬学的に許容される担体」には、当業者に公知となる、任意のおよびすべての溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗細菌剤、抗かび剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬剤、薬剤安定剤、ゲル、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味料、着香料、色素、そのような類似材料およびそれらの組合せが含まれる(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990, pp. 1289-1329を参照)。従来の任意の担体が有効成分と相容れない場合以外は、治療または医薬組成物中でのその使用が企図されている。]
[0121] 治療薬は、それが固体、液体またはエアゾール形で投与されるかに従い、およびそれが注射のような投与経路のために無菌である必要性があるかどうかに従い、異なる種類の担体を含むことができる。]
[0122] 様々な実施形態では、本発明の治療組成物は、眼内、静脈内、皮内、動脈内、腹腔内、頭蓋内、局所、筋内、腹腔内、皮下、小胞内、粘膜、経口的、局所、局部、吸入(例えばエアゾール吸入)、注射、注入、連続注入、標的細胞を直接、カテーテルにより、洗浄液を通して浸す局所灌流、クリームで、脂質組成物(例えば、リポソーム)で、または当業者に公知となるであろう他の方法または上の任意の組合せによって投与することができる(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Ed. Mack Printing Company, 1990を参照)。]
[0123] 注射可能な滅菌溶液は、必要に応じて上で列挙した種々の他の成分と一緒に、適当な溶媒中に必要とされる量の活性化合物を組み込み、続いてろ過滅菌することによって調製される。一般に、分散液は、様々な滅菌有効成分を、基礎分散媒および/または他の成分を含む滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。注射可能な滅菌溶液、懸濁液または乳剤の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製法は、有効成分と、前もってろ過滅菌したその液体媒体からの任意の追加の所望の成分との粉末を産する、真空乾燥またはフリーズドライイング技術である。液体媒体は必要に応じて好適に緩衝するべきであり、液体希釈剤は、注射前に十分な生理食塩水またはグルコースで先ず等張性にするべきである。直接注射のために高度に濃縮した組成物の調製も企図され、そこにおいて、溶媒としてのDMSOの使用は、極めて速やかな浸透をもたらし、小さな領域に高濃度の活性剤を送達すると想定される。]
[0124] 組成物は製造および保存の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。エンドトキシン汚染が最低限安全量に、例えば0.5ng/mgタンパク質未満に維持されるべきであることが理解されよう。]
[0125] 本発明の固体タンパク質製剤を安定させる方法は、精製された、例えば凍結乾燥されたタンパク質の物理的安定性を増加させることである。これは、疎水性の相互作用を通すことに加え、タンパク質がアンフォールドするに従って増加することができる共有結合経路を通して、凝集を阻害する。この文脈における製剤の安定化は、ポリマーに基づく製剤、例えば生物分解性ヒドロゲル製剤/デリバリー系をしばしば含む。上記のように、タンパク質の構造、機能および安定性における水の重要な役割は周知である。一般的に、タンパク質は、バルク水を除去した固体状態では比較的安定である。しかし、固体の治療的タンパク質製剤は、高い湿度での保存後に、または持続的放出組成物または用具からのデリバリーの間に水和されることがある。タンパク質の安定性は、水和の増加とともに一般的に低下する。水は、固体タンパク質凝集において、例えば、反応性基のアクセシビリティの増加をもたらすタンパク質の柔軟性を高めることによって、反応体に移動相を提供することによって、およびβ−脱離および加水分解などのいくつかの有害な過程で反応体の役目を果たすことによって、重要な役割を果たすこともできる。]
[0126] 約6%〜28%の水を含むタンパク質調製物が、最も不安定である。このレベル以下では、結合水の移動性およびタンパク質の内部運動は低い。このレベルの上では、水移動性およびタンパク質運動は、完全水和のそれらに近づく。ある程度まで、水和の増加による固相凝集の方への感受性の増加が、いくつかの系で観察されている。しかし、より高い含水量では、希釈効果のためにより少ない凝集が観察される。]
[0127] 特定の実施形態では、注射可能な組成物の持続的吸収は、吸収を遅らせる剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム、ゼラチンまたはそれらの組合せを組成物で使用することによってもたらすことができる。]
[0128] 様々な実施形態では、本発明の治療薬を含む製剤は、安定化またはデリバリービヒクルを含む。この関係において、用語「ビヒクル」は、分解を予防、および/または半減期を増加させるか、毒性を減少させるか、免疫原性を低減させるか、または治療的タンパク質の生物活性を増加させる分子を指す。例示的なビヒクルには、Fcドメインに加えて線状ポリマー[例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリリジン、デキストランなど];分岐鎖型のポリマー(例えば、1981年9月15日に公布されたDenkenwalter et al.の米国特許第4,289,872号、1993年7月20日に公布されたTamの米国特許第5,229,490号、1993年10月28日に公開されたFrechet et al.による国際公開第93/21259号を参照);脂質;コレステロール群(ステロイドなど);炭水化物またはオリゴ糖;またはサルベージ受容体に結合する任意の天然もしくは合成のタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドが含まれる。]
[0129] 一実施形態では、本発明は、ペプチド(複数可)のアミノ酸残基の1つのN末端、C末端または側鎖を通して少なくとも1つのビヒクル(F1、F2)に結合するための、少なくとも1つのペプチドを提供する。複数のビヒクルを用いることもでき、例えば、Fcを各末端に、またはFcを1つの末端に、PEG基をその他の末端または側鎖に用いることができる。]
[0130] Fcドメインは、1つの好ましいビヒクルである。Fcドメインは、ペプチドのNもしくはC末端に、またはNおよびC末端の両方に融合させることができる。例えば、国際公開第97/34631号および国際公開第96/32478号を参照されたい。そのようなFc変異体では、本発明の融合分子によって必要とされない構造的特徴または機能的活性を提供する天然のFcの1つまたは複数の部位を除去することができる。例えば、残基を置換もしくは削除すること、残基をその部位に挿入すること、またはその部位を含む部分を切断することによって、これらの部位を除去することができる。挿入または置換される残基は、変化させられたアミノ酸、例えばペプチド様物質またはD−アミノ酸であってもよい。いくつかの理由でFc変異体は望ましいものであることができ、そのいくつかは下で記載される。]
[0131] 代替のビヒクルは、標的細胞上の受容体または標的分子に結合することができるタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、抗体、抗体断片または小分子(例えば、ペプチド様化合物)であろう。例えば、ビヒクルとして、Presta et al.に1998年4月14日に公布された、米国特許第5,739,277号に記載のポリペプチドを用いることができよう。ペプチドは、FcRnサルベージ受容体への結合について、ファージディスプレイによって選択することもできよう。そのようなサルベージ受容体結合性化合物も、「ビヒクル」の意味の範囲内に含まれ、本発明の範囲内である。そのようなビヒクルは、半減期の増加(例えば、プロテアーゼによって認識される配列を避けることによって)および免疫原性の低下(例えば、抗体ヒト化で発見される非免疫原性配列を有利にすることによって)について選択されるべきである。]
[0132] 一部の実施形態では、ビヒクルはポリエチレングリコール(PEG)である。PEG基は任意の都合のよい分子量であってもよく、直鎖または分岐状であってもよい。PEGの平均分子量は、好ましくは約2キロダルトン(「kDa」)〜約100kDa、より好ましくは約5kDa〜約50kDa、最も好ましくは約5kDa〜約10kDaの範囲である。別の実施形態では、PEGの平均分子量は、約10kDa〜約20kDa、または20kDa〜30kDa、または30kDa〜40kDaまたは40kDa〜50kDaである。一般にPEG基は、本発明の化合物上の反応性基(例えば、アルデヒド、アミノまたはエステル基)への、PEG部分の上の反応性基(例えば、アルデヒド、アミノ、チオールまたはエステル基)を通してのアシル化または還元アルキル化を通して、本発明の化合物に結合される。]
[0133] 合成ペプチドのPEG化のための有用な戦略は、溶液中でのコンジュゲート連結の形成を通して、各々が他方に対して相互に反応性である特別な官能基を運ぶペプチドおよびPEG部分を組み合わせることからなる。当技術分野で公知であるように、ペプチドは、従来の固相合成で容易に調製することができる。ペプチドは、特定部位の適当な官能基で「前活性化」される。前駆体を精製して、完全に特徴づけてから、PEG部分と反応させる。PEGとのペプチドの連結は水相で通常起こり、逆相分析HPLCによって容易に監視することができる。PEG化されたペプチドは、分取HPLCによって容易に精製することができ、分析HPLC、アミノ酸分析およびレーザ脱離質量分析によって特徴づけることができる。]
[0134] 多糖ポリマーは、タンパク質改変のために用いることができる、別の種類の水溶性ポリマーである。デキストランは、主に1−6結合によって連結されるグルコースの個々のサブユニットを含む多糖ポリマーである。デキストラン自体は、多くの分子量範囲で利用可能であり、約1kDa〜約70kDaの分子量で容易に入手できる。デキストランは、単独で、または別のビヒクル(例えば、Fc)と組み合わせて、ビヒクルとして本発明で用いるのに適する水溶性ポリマーである。例えば、国際公開第96/11953号および国際公開第96/05309号を参照。治療的または診断的免疫グロブリンに結合されているデキストランの使用が、報告されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれている、欧州特許出願公開第0 315 456号を参照。デキストランが本発明によるビヒクルとして用いられる場合、約1kDa〜約20kDaのデキストランが好ましい。]
[0135] 投薬量
動物に投与される本発明の組成物の実際の投薬量は、体重、状態の程度、治療する疾患の種類、過去のまたは並行する治療的介入、患者の特発疾患、および投与経路などの身体的および生理的因子で決定することができる。投与担当医は、いかなる場合にも、組成物中の有効成分(複数可)の濃度、および個々の対象の適当な用量(複数可)を決定する。]
[0136] 特定の実施形態では、医薬組成物は、例えば、少なくとも約0.1%の活性化合物を含むことができる。他の実施形態では、活性化合物は、ユニットの重量の約2%〜約75%、または、例えば約25%〜約60%、およびその中の任意の導出可能な範囲を含むことができる。他の限定されない実施例では、用量は、1投与につき約1ナノグラム/kg/体重、約5ナノグラム/kg/体重、約10ナノグラム/kg/体重、約50ナノグラム/kg/体重、約100ナノグラム/kg/体重、約200ナノグラム/kg/体重、約350ナノグラム/kg/体重、約500ナノグラム/kg/体重、1マイクログラム/kg/体重、約5マイクログラム/kg/体重、約10マイクログラム/kg/体重、約50マイクログラム/kg/体重、約100マイクログラム/kg/体重、約200マイクログラム/kg/体重、約350マイクログラム/kg/体重、約500マイクログラム/kg/体重、約1ミリグラム/kg/体重、約5ミリグラム/kg/体重、約10ミリグラム/kg/体重、約50ミリグラム/kg/体重、約100ミリグラム/kg/体重、約200ミリグラム/kg/体重、約350ミリグラム/kg/体重、約500ミリグラム/kg/体重から約1000mg/kg/体重以上、およびその中の任意の導出可能な範囲を含むこともできる。本明細書で記載される数字から導き出せる範囲の限定されない実施例では、上記の数字に基づき、約5mg/kg/体重〜約100mg/kg/体重、約5マイクログラム/kg/体重〜約500ミリグラム/kg/体重などを投与することができる。]
[0137] さらなる実施形態では、組成物は、1つまたは複数の成分の酸化を遅らせるために、様々な抗酸化剤を含むことができる。さらに、微生物作用の予防は、様々な抗細菌剤および抗かび剤、例えば、それらに限定されないが、パラベン(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン)、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールまたはそれらの組合せなどの保存剤によって達成することができる。]
[0138] 本発明の追加の実施形態では、治療方法は、本発明の治療薬(例えば、MANFまたはMANFおよび1つまたは複数の追加の神経栄養因子の組合せ)の、特定の時間、例えば治療的に有効な時間の投与を含む。一部の実施形態では、本発明の製剤またはMANFをコードする核酸もしくは生物学的機能的断片の投与が、特に企図される。一部の実施形態では、時間は、脊髄損傷時間から1時間以内から、脊髄損傷後72時間までであると想定される。追加の実施形態では、時間は、損傷の約1時間以内から脊髄損傷の72時間後までに始まる。さらなる実施形態では、時間は、24時間〜72時間の長さであるか、3〜6日の長さである。治療は、損傷の発生の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間または1、2、3、4、5、6、7日間または1、2、3、4、5週間、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12カ月以内またはそれの後に投与することができることが想定される。また、治療は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間または1、2、3、4、5、6、7日間または1、2、3、4、5週間、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12カ月以上投与することができることが想定される。持続的投与は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55分間または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間以上と想定される。複数の投与も、企図される。一部の実施形態では、投与は少なくとも2回与えられる(少なくとも1回繰り返される)。]
[0139] 対象には、異なる量の治療薬を投与してもよい。一部の実施形態では、投与される本発明の製剤(例えば、タンパク質または核酸)の量は、体重1キログラムにつき毎時1〜1000ナノグラムである。他の実施形態では、量は、体重1キログラムにつき毎時1〜100ナノグラム、または体重1キログラムにつき毎時1〜10ナノグラムである。投薬量は、体重1キログラムにつき毎時1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700、710、720、730、740、750、760、770、780、790、800、810、820、830、840、850、860、870、880、890、900、910、920、930、940、950、960、970、980、990、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000ナノグラム(ng/kg/hr)であろうと想定される。投薬量は、少なくともおよび/またはせいぜいそれらの同じ量であることもできることも想定される。]
[0140] 遺伝子導入
上記したように、遺伝子治療は、MANFポリペプチドをコードする遺伝子(またはMANFセンスRNAをコードするポリヌクレオチド)の正常なコピーが細胞に導入されて、MANFポリペプチドを首尾よく生成する、可能性のある別の治療的手法である。遺伝子は、それが取り込まれることができる形でそれらの細胞に送達されなければならず、有効なドーパミン作動性ニューロン生存促進活性を提供するために十分なタンパク質をコードしなければならない。]
[0141] 神経細胞への適当な向性を有するレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルス関連ウイルスベクターまたは他のウイルスベクターを、治療的MANF構築物のための遺伝子導入デリバリー系として用いることができる。この目的のために有用な多数のベクターが周知である(Miller, Human Gene Therapy 15-14, 1990、Friedman, Science 244:1275-1281, 1989、Eglitis and Anderson, BioTechniques 6:608-614, 1988、Tolstoshev and Anderson, Curr. Opin. Biotech. 1:55-61, 1990、Sharp, The Lancet 337: 1277-1278, 1991、Cometta et al., Nucl. Acid Res. and Mol. Biol. 36: 311-322, 1987、Anderson, Science 226: 401-409, 1984、Moen, Blood Cells 17: 407-416, 1991、Miller et al., Biotech. 7: 980-990, 1989、Le Gal La Salle et al., Science 259: 988-990, 1993およびJohnson, Chest 107: 77S-83S, 1995)。レトロウイルスベクターは特によく開発され、臨床セッティングで用いられている(Rosenberg et al., N. Engl. J. Med. 323: 370, 1990、Anderson et al.、米国特許第5,399,346号)。所望の細胞への治療的DNAの導入のために、非ウイルス手法を使用することもできる。例えば、MANFをコードするポリヌクレオチドを、リポフェクション(Felgner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 7413, 1987、Ono et al., Neurosci. Lett. 117: 259, 1990、Brigham et al., Am. J. Med. Sci. 298:278, 1989、Staubinger et al., Meth. Enzymol. 101:512, 1983)、アシアロロソヌコイド(asialorosonucoid)−ポリリジンコンジュゲーション(Wu et al., J. Biol. Chem. 263:14621, 1988、Wu et al., J. Biol. Chem. 264:16985, 1989);または、より好ましくはないが、外科的条件下の微量注入(Wolff et al., Science 247:1465, 1990)によって細胞に導入することができる。]
[0142] 遺伝子導入は、インビトロでの感染を必要とする非ウイルス手段を用いて達成することもできよう。これには、リン酸カルシウム、DEAEデキストラン、エレクトロポレーションおよびプロトプラスト融合が含まれよう。細胞へのDNAのデリバリーのために、リポソームも潜在的に有益であり得る。これらの方法は利用可能であるが、これらの多くは効率がより低い。]
[0143] 記載される構築物では、MANFまたはプロMANFcDNA発現は、任意の適するプロモーター[例えば、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)、シミアンウイルス40(SV40)またはメタロチオネインプロモーター]から誘導することができ、任意の適当な哺乳動物調節エレメントによって調節することができる。例えば、所望により、神経細胞で優先的に遺伝子発現を誘導することが公知であるエンハンサーを用いて、MANFポリペプチド発現を誘導することができる。用いられるエンハンサーには、それらに限定されないが、それらの発現が組織または細胞特異的であることを特徴とするものを含めることができよう。]
[0144] RNA分子は、細胞内での安定性および半減期が向上するように改変することができる。可能な改変には、それらに限定されないが、分子の5’および/または3’末端での隣接配列の付加、または分子骨格内のホスホジエステラーゼ結合ではなくホスホロチオエートもしくは2’O−メチルの使用が含まれる。この概念は、イノシン、ケオシンおよびワイブトシン、ならびに、内因性エンドヌクレアーゼによって同様には容易に認識されないアデニン、シチジン、グアニン、チミンおよびウリジンのアセチル−、メチル−、チオ−および類似の改変形態などの非伝統的塩基の組入れによって、これらの分子のすべてにおいて拡張することができる。]
[0145] 組合せ
さらに、任意のMANFに基づく治療薬が、それらに限定されないが、MANF2(米国特許出願公開第20060084619号を参照)、CDNF、インターフェロンγ、神経成長因子、上皮成長因子(EGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、ニューロゲニン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、甲状腺ホルモン、骨形態形成タンパク質(BMP)、白血病抑制因子(LIF)、ソニックヘッジホッグ、グリア細胞系由来神経栄養因子(GDNF)、血管内皮成長因子(VEGF)、インターロイキン、インターフェロン、幹細胞因子(SCF)、アクチビン、インヒビン、ケモカイン、レチノイン酸および毛様体神経栄養因子(CNTF)またはそれらの組合せを含む、1つまたは複数の追加の治療薬と組み合わされる。本発明の方法および組成物で有用な追加の治療薬および方法の例が、米国特許出願第20080057028号、第20070082848号、第20070077649号に開示されている。]
[0146] 組成物は、単独で、または任意の滅菌された生体適合性の薬用担体、例えば、それらに限定されないが生理食塩水、緩衝生理食塩水、デキストロースおよび水で投与することができる、安定化化合物などの少なくとも1つの他の剤と組み合わせて投与することができる。組成物は、患者に対して単独で、または他の剤、薬剤またはホルモンと組み合わせて投与してもよい。]
[0147] ヒトMANFは本明細書に記載の方法で使用するのに好ましいが、MANFは、ラット、マウスおよびウシを含む多数の種で同定されている。当業者は、標準の方法を用いて、他の動物からのMANFの同定を容易に実施することができることを認識するであろう。ドーパミン作動性ニューロン生存促進活性を有し、ヒトARPをコードするcDNAとハイブリダイズする核酸によってコードされる任意のタンパク質は、本発明の一部とみなされる。]
[0148] 以下の実施例は、本発明を例示する。それらは、本発明を決して限定するものではない。]
[0149] VMCL−1細胞の生成および分析
VMCL−1細胞系を、以下の通りに作製した。その約2〜3%はグリア芽細胞であるラットE14中脳細胞を、10%(v/v)ウシ胎児血清を含む培地で12時間インキュベートし、その後、マイトジェンとして塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)を含む無血清培地で増殖させた。15DIVを超える日数の後、増殖中のグリア様細胞のいくつかの島が観察された。単離および継代培養に続いて、細胞(本明細書でVMCL−1細胞と称す)は、無血清または血清含有増殖培地で速やかに増殖した。以降の免疫細胞化学分析は、それらが2つの星状細胞マーカー、GFAPおよびビメンチンに対して陽性に染色し、A2B5、O4、GalCおよびMAP2を含むオリゴデンドログリアまたはニューロン系統のマーカーについては陰性であることを示した。我々は、VMCL−1細胞系をATCCに寄託した(アクセッション番号:PTA−2479;寄託日:2000年9月18日)。]
[0150] VMCL−1細胞から調製された無血清CMは、培養でE14中脳ドーパミン作動性ニューロンの生存および分化の増大を引き起こした。これらの作用は、一次中脳1型星状細胞由来のCMによって発揮されるものに類似している。中脳領域特異的遺伝子(例えば、wnt−1、en−1、en−2、pax−2、pax−5およびpax−8)の発現は、VMCL−1細胞とE14腹側中脳起源の一次1型星状細胞との間で類似していた。両方で、wnt−1は強く発現され、en−1はより弱く発現され、それらの中脳起源で予想される発現パターンを支持した。染色体分析は、細胞の70%が異数体であり、これらのうち50%は四倍体であることを示した。25回を超える継代培養の後、増殖能力の明らかな衰退は観察されなかった。この細胞系の特性は、不死化された1型星状細胞のものと一貫している。]
[0151] VMCL−1細胞は、明らかに非神経性のグリア様形態を有するが、培養の1型星状細胞に一般的である、大きな扁平形状を欠く。免疫細胞化学分析は、それらがGFAPおよびビメンチンに対して陽性に染色し、MAP2、A2B5およびO4に対して陰性であることを証明した。したがって、細胞は、オリゴデンドロサイト系統でなかった。A2B5への負の反応およびそれらの形態学的性質に基づき、それらは2型星状細胞でもなかった。免疫細胞化学的証拠によって支持される分類は、1型星状細胞のものであるが、記すように、これらの細胞は、培養の一次1型星状細胞の古典的形態学的形質を欠く。]
[0152] 培養のE14ドーパミン作動性ニューロンに及ぼすVMCL−1 CMの作用
VMCL−1 CMを、培養のE14中脳ドーパミン作動性ニューロンの生存および発達に影響するその能力について、0、5、20および50v/v%で試験した。培養を10%ウシ胎児血清(FBS)で12時間初回刺激し、その後、7DIV後にそれらを染色および分析するまで、無血清増殖培地で増殖させた。ドーパミン作動性ニューロンの生存の増加に対して、CMの用量依存的作用があった。CMは、生存を5倍増加させた。対照的に、非ドーパミン作動性ニューロン生存の有意な増加はなかった。この推定上の因子の生物作用プロフィールは、GDNFの供給源であるB49グリオーマ細胞系に由来するCMのものと非常に異なる(Lin et al., Science 260: 1130-1132)。]
[0153] VMCL−1細胞の遺伝子発現分析
VMCL−1細胞系と一次培養星状細胞との類似点をさらに調査するために、我々は、中脳領域に特徴的な6つのマーカー遺伝子の発現を測定した。wnt−1、en−1、en−2、pax−2、pax−5およびpax−8の分析は、E13で発現されたがE14神経組織で発現されなかったpax−2を除いて、すべての遺伝子がE13およびE14腹側中脳神経組織で発現されることを示した。一次星状細胞およびVMCL−1細胞の両方は、E13およびE14腹側中脳神経組織のものと同等のレベルでwnt−1を発現した。en−1の発現の程度は一次星状細胞およびVMCL−1細胞で類似していたが、E13およびE14腹側中脳組織での発現に対して低いレベルであった。対照的に、en−2、pax−5およびpax−8は、一次星状細胞でもVMCL−1でも発現されなかった。pax−2は、E14腹側中脳ではなくE13で、およびVMCL−1ではなく一次星状細胞で発現された。]
[0154] VMCL−1細胞の染色体分析
染色体を、34個の細胞で計数した。これらのうち、9個は、数がラットの二倍数の42であった。異数体であった25個の細胞のうち、12/25または48%は四倍体の範囲であった。高二倍体(43〜48の数)および低二倍体(39〜41の数)細胞は集団の20%をそれぞれ占めたが、細胞の12%は構造的に再編成された染色体を有した。]
[0155] 培養のドーパミン作動性ニューロンの生存を増加させるVMCL−1 CMの選択的作用は、この細胞系によって生成される分子(複数可)の、潜在的な臨床的有用性を提供する。50%v/vの濃度のVMCL−1 CMの毒性作用の欠如は、活性のある推定上の神経栄養因子が有毒でないことを示す。VMCL−1 CMによって発揮される作用は、中脳の一次1型星状細胞から調製されるCMのそれをほぼ正確に反映する。ドーパミン作動性ニューロンに対するVMCL−1由来の推定上の因子の高度特異性は、一般のニューロン生存があまり増加しなかったが、ドーパミン作動性ニューロンの生存が5倍増加したとの観察から強く示される。一次1型星状細胞はGDNFmRNAを発現するが、50pgの感度において、ウェスタンブロットによってCM中のGDNFタンパク質を検出しなかったことが証明された。さらに、本実験条件下で、最適濃度のGDNFによって媒介されるドーパミン作動性ニューロンの生存の増加が、2倍を超えることはないことが示された。これらの観察は、VMCL−1 CMの神経栄養作用の役割を担う因子がGDNFでないことを単独で示す。]
[0156] 1型星状細胞−順化培地の生成
E16の1型星状細胞CM(10L)をろ過し、0.2M NaClを含むpH7.6の20mMトリスHCl(Mallinckrodt Chemical Co.Paris、Ky.)で事前に平衡させたヘパリンセファロースCL−6Bカラム(層容量80mL)に加えた。平衡緩衝液による洗浄の後、結合したタンパク質を、pH7.6の20mMトリスHCl中の0.2M〜2MのNaClの直線勾配でカラムから溶出させた(400mLの総容量、流速100mL/時間)。Pharmacia LKB分画捕集剤を用いて分画を収集し、吸光度を280nmで測定した(Sargent−Welch PU 8600 UV/VIS分光光度計)。1mLの一定分量を各分画からとり、4つの群(4mLの総容量)にプールし、Centricon−10(登録商標)膜濃縮器(Millipore、Bedford、Mass.)を用いて脱塩した。試料を規定の培地で1:4に希釈し、ドーパミン作用について生物検定した。活性分画をプールし(80mLの総容量)、次に、pH7.4の50mMギ酸アンモニウムで事前に平衡させたG−75セファデックス(登録商標)カラム(70×2.5cm、Pharmacia Biotechnology Ltd.、Cambridge、UK)に加えた。タンパク質を同じ緩衝液で分離し(流速75mL/時間)、吸光度を280nmで測定した。1mLの一定分量を各分画からとり、4つの群(4mLの総容量)にプールし、凍結乾燥によって濃縮し、1mL蒸留水の容量で再構成した。次に、ドーパミン作用生物検定のために、試料を規定の培地で1:4に希釈した。神経栄養活性を有するものは、個々の分画としてさらに生物検定した。]
[0157] VMCL−1 CMの重要な際立った特徴は、培養に存在するGABA作動性、セロトニン作動性および他のニューロン表現型の生存と比較して、それが主にドーパミン作動性ニューロンの生存を促進するということである。この特異性の主張は、GDNFについても該当する。しかし、多大な試験の結果は、VMCL−1由来の化合物がGDNFでないことを証明している。]
[0158] ドーパミン作動性ニューロン生存促進活性を有するタンパク質の単離および精製
精製プロトコルは、以下の通りに実施した。用いたすべての塩は最高純度のものであって、Sigma Chemical Co.から得た。すべての緩衝液は新たに調製し、0.2μMろ過器(Millipore製のGP Express減圧作動系)を通してろ過した。]
[0159] 工程1:ヘパリン−セファロースカラムクロマトグラフィー(4℃)
3リットルのVMCL−1順化培地をpH7.2の等量の20mMリン酸ナトリウム緩衝液によって室温で希釈し、ろ過し、5K PREP/SCALE−TFF2.5ft2カートリッジ(Millipore)で、550mL容量に濃縮した。2×5mLのHiTrapヘパリンカラム(Pharmacia Biotech)で組み立て、少なくとも100mLの10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH7.2(緩衝液A)で事前に平衡させた10mLヘパリン−セファロースカラムに、濃縮した物質を加えた。加えるのが終了した後、カラムを100mLの緩衝液Aで洗浄した。合計10個の分画を、各々約3mLの容量の緩衝液B(緩衝液Aプラス1M塩化ナトリウム)で溶出させた。300Lの試料を、分析のために抜き取った。]
[0160] 工程2:Superose 12カラムクロマトグラフィー(4℃)
工程1からの分画のすべてをプールし、次にCentricon Plus−20濃縮器(5,000MWCO、Millipore)を用いて4.5mLまで濃縮し、0.6M塩化ナトリウムを含むpH7.2の少なくとも300mLの20mMリン酸ナトリウム緩衝液(GF緩衝液)で事前に平衡させた、Superose12培地(Prep Grade、Sigma Chemical Co.)を詰めた16×600mmのゲルろ過カラムに加えた。タンパク質溶出は、GF緩衝液で行った。2ミリリットルの分画を集め、活性について分析した。84mlのGF緩衝液がカラムを通過し、タンパク質標準(Bio−Rad)で得られたカラム校正データに基づく約20〜30kDaの溶出領域に対応した後、活性タンパク質を15mL容量で溶出させた。]
[0161] 工程3:セラミックヒドロキシアパタイトカラムクロマトグラフィー(室温;FPLC系)
20〜30kDa溶出領域に対応した工程2からの活性分画をプールし、Centricon Plus−20濃縮器(5,000MWCO)を用いて7.5mLまで濃縮し、2LのpH7.2の10mMリン酸ナトリウム緩衝液(緩衝液A)に対して4℃で一晩透析し、緩衝液Aで平衡させた1mLのパック済みセラミックヒドロキシアパタイト(I型、Bio−Rad)カラムに(Superloopを通して)加えた。過剰量の未結合タンパク質(フロースルー)を緩衝液Aでカラムから流した後、1.0M NaClを含む緩衝液Aの直線勾配を0から100%にかけて加えた。1ミリリットルの分画を集め、活性について分析した。活性タンパク質は、0.4〜0.8MNaCl濃度に対応する勾配の領域の中の広いピークとして溶出された。]
[0162] 工程4:陰イオン交換カラムクロマトグラフィー(室温;FPLC系)
広いピークに対応する分画をプールし(総容量=15mL)、Centricon Plus−20(5,000MWCO)を用いて6mLまで濃縮し、2LのpH7.5の20mMトリスHCl緩衝液(緩衝液A)に対して4℃で一晩透析し、1mL陰イオン交換FPLCカラム(Uno、Bio−Rad)に(Superloopを通して)加え、緩衝液Aで平衡させた。過剰量の未結合タンパク質を緩衝液Aでカラムから流した後、0〜100%の1M NaCl(緩衝液A中)の直線勾配を加えた。1ミリリットルの分画を集め、活性について分析した。活性タンパク質は、フロースルー中に(すなわち、未結合のタンパク質分画中に)見出された。]
[0163] 工程5:BioSil125カラムクロマトグラフィー(室温;HPLCシステム)
工程4からの活性タンパク質分画(7mLの総容量)を、Centricon Plus−20濃縮器(5,000MWCO)を用いてほぼ0容量(約1μL)まで濃縮し、0.6mLのpH7.2の10mMリン酸ナトリウム緩衝液で再構成した。再構成した物質(70μL、分析ラン)は、pH7.2の20mMリン酸ナトリウム緩衝液(GF緩衝液)で平衡させたBioSil125 HPLCゲルろ過カラム(Bio−Rad)に加えた。クロマトグラフィーは、HP1100シリーズHPLCシステム(Hewlett−Packard)を用いて行った。溶出液を120μL分画で集め、活性およびタンパク含有量について分析した(SDS−PAGE)。活性は、カラムから溶出した主な280nm吸光度ピークに関連する分画で見出され、それは、SDS−PAGE分析によると45kDaタンパク質によって表された。しかも、45kDaタンパク質ピークの横の分画では活性が見出されず、活性は、45kDaタンパク質と同時であったが、12%SDS−PAGE銀染色ゲルで検出することができなかったずっと低い濃度で溶出した別のタンパク質の存在によるかもしれないことを示す。したがって、工程5からの残りの濃縮物質を、Centricon−3濃縮器(Millipore)を用いて80μL容量までさらに濃縮し、上記の分析ランと同じ条件でカラムに60μLを加えて分離した。8μLの一定分量を溶出液の各120μL分画からとり、銀染色と組み合わせたSDS−PAGE(12%ゲル)によって分析した。この分析は、別の2つのさらなるタンパク質(約18および20kDaの分子量を有する)が活性分画に関連し、主要な45kDaタンパク質と同時溶出することを示した。活性分画を1LのpH8.0の酢酸アンモニウム緩衝液(4℃)に対して透析し、P−1が20kDaタンパク質および45kDaタンパク質を含み、P−2が18kDaタンパク質および45kDaタンパク質を含むように、合わせて2つの活性プール、P−1およびP−2を作製した。各プールをSpeedVac減圧濃縮器(Savant)で乾燥させ、15μLのpH6.9の0.1M酢酸アンモニウム緩衝液で別々に再構成した。一定分量を各試料から抜き取り、活性について分析した。さらに、1μLの一定分量を、12%SDS−PAGE分析および続く銀染色にかけた。]
[0164] 前述の分析の結果は、P−2でなくP−1が所望の生存促進活性を含むことを明らかに示した。次の工程では、P−1およびP−2の両方をSpeedVacで乾燥させ、10μLの新たに調製したSDS−PAGE還元試料緩衝液(Bio−Rad)で再構成し(各々)、沸騰水浴上で1分間インキュベートし、12%SDS−PAGEゲルに加えた。電気泳動が終了した後、メタノール/酢酸/水溶液(50:10:40)中でゲルを室温で40分間固定し、ナノ純粋な水で3回洗浄し、GelCode Blue染色試薬(Pierce)により室温で一晩染色した。染色が完了し、GelCode液をナノ純粋な水でゲルから流した後、45kDaタンパク質(P−1およびP−2の両方)および20kDaタンパク質(P−1だけ)に対応する可視的タンパク質バンドを、かみそりの刃でゲルから切り取った。対応するバンドを含む各ゲル切片を、ゲル内消化の時間まで、1.5mL微量遠心管に入れた。]
[0165] nESI−MS/MSによるゲル内消化断片の分析
コロイド性クーマシーブルー染色液を除去するために、タンパク質のゲルバンドを、30%アセトニトリル(水溶液)中の100mM炭酸水素アンモニウムと室温で1時間インキュベートした。染色剤が完全に除去されるまで、脱染色液を数回交換した。ゲル片を脱イオン水(約200μL)で次に覆い、10分間振盪した。ゲル片をアセトニトリルで脱水させ、過剰液体を除去した後に、遠心蒸発器で完全に乾燥させた。200ngの改変トリプシン(Promega、Madison、Wis.)を含む20μLのpH8.3の50mM炭酸水素アンモニウムで、ゲルバンドを再水和させた。ゲル片をpH8.3の50mM炭酸水素アンモニウム(約50μL)で覆い、37℃で一晩インキュベートした。消化溶液を清潔なエッペンドルフ試験管へ次に移し、ゲル片を50〜100μLの5%酢酸(水溶液)中で30分間超音波処理した。抽出溶液を消化溶液と合わせ、遠心蒸発器の上で蒸発乾固させた。]
[0166] ゲル内消化抽出物は、Voyager Elite STR MALDI−TOFMS器具(Applied Biosystems Inc.、Framingham、Mass.)を用いてマトリックス介助レーザーデソープション法イオン化−飛行時間型質量分析(MALDI−TOFMS)によって先ず分析した。抽出物を、5μLの50%アセトニトリル、1%酢酸に溶解した。マトリックスとしてジヒドロキシ安息香酸を用い、陽イオン、リフレクトロンモードでスペクトルを取得した。各試料の約1/5を、この分析のために用いた。これらのスペクトルは消化抽出物中のペプチドの質量を提供し、それらを次に用いて、ペプチド質量フィンガープリンティングと呼ばれる工程で社内の非冗長タンパク質配列データベースを検索した。試料の残りは、ナノエレクトロスプレーイオン化−タンデム質量分析(nESI−MS/MS)による、ペプチド配列決定分析のために用いた。C18 ZipTips(Millipore)を用いて抽出物を先ず脱塩し、75%メタノール(水溶液)、0.1%酢酸(5μL)に再融解した。試料の約1/2をナノエレクトロスプレーガラス毛細管(Micromass)に加えた。nESI−MS/MS分析は、Q−Star四重極飛行時間型ハイブリッド質量分析計(PE SCIEX、Concord、ON)を用いて実施した。すべてのMS/MS分析は、陽イオンモードで実施した。衝突ガスは窒素であり、衝突エネルギーは40〜60eVであった。MS/MSスペクトルは、一般的に2分間にわたって毎秒取得した。部分配列標識を用いて社内の非冗長タンパク質配列データベースを検索するために、MS/MSスペクトルを用いた(すなわち、ペプチド質量および2、3の断片イオンだけを用いてデータベースを検索する)。タンパク質がこの方法によって同定されなかった場合、2つ以上のペプチドのアミノ酸配列をMS/MSスペクトルからできるだけ完全に決定した。これらの配列を用いて、NCBIのタンパク質、ヌクレオチドおよびEST配列データベースのBLAST検索を実行した。]
权利要求:

請求項1
ドーパミン作動性ニューロン細胞の増殖または生存を高める方法であって、成熟した星状細胞由来神経栄養因子(MANF)の治療的有効量を、MANF2、インターフェロンγ、神経成長因子、上皮成長因子(EGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、ニューロゲニン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、甲状腺ホルモン、骨形態形成タンパク質(BMP)、白血病抑制因子(LIF)、ソニックヘッジホッグ、グリア細胞系由来神経栄養因子(GDNF)、血管内皮成長因子(VEGF)、インターロイキン、インターフェロン、幹細胞因子(SCF)、アクチビン、インヒビン、ケモカイン、レチノイン酸、毛様体神経栄養因子(CNTF)およびそれらの組合せからなる群から選択される、1つまたは複数の追加の剤と一緒に対象に投与することを含む方法。
請求項2
対象に対して前記対象の脳の黒質領域にMANFの治療的有効量を投与することを含む、ドーパミン作動性ニューロン細胞の増殖または生存を高める方法。
請求項3
対象に対して腹側中脳領域にMANFの治療的有効量を投与することを含む、ドーパミン作動性ニューロン細胞の増殖または生存を高める方法。
請求項4
MANF2、インターフェロンγ、神経成長因子、上皮成長因子(EGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、ニューロゲニン、脳由来神経栄養因子(BDNF)、甲状腺ホルモン、骨形態形成タンパク質(BMP)、白血病抑制因子(LIF)、ソニックヘッジホッグ、グリア細胞系由来神経栄養因子(GDNF)、血管内皮成長因子(VEGF)、インターロイキン、インターフェロン、幹細胞因子(SCF)、アクチビン、インヒビン、ケモカイン、レチノイン酸、毛様体神経栄養因子(CNTF)およびそれらの組合せからなる群から選択される、1つまたは複数の追加の治療剤を投与することをさらに含む、請求項2または3に記載の方法。
請求項5
神経幹細胞を前記領域に移植することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
請求項6
神経幹細胞を前記領域に移植することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
請求項7
MANFの有効量をパーキンソンに罹患している対象に投与し、それによって黒質でGABA作動性末端からのGABAの放出を増加させることを含む、パーキンソン病を治療する方法。
請求項8
MANFの有効量をパーキンソンに罹患している対象に投与し、それによってDAニューロンに対するグルタミン酸の興奮毒性作用に拮抗することを含む、パーキンソン病を治療する方法。
請求項9
作動可能的に連結するポリペプチドの発現を誘導することができるプロモーター配列を含むポリヌクレオチド配列を含むウイルス発現ベクターであって、前記ポリペプチドが、哺乳動物細胞で機能することができるシグナルペプチド、およびMANFポリペプチドを含む、ウイルス発現ベクター。
請求項10
HIV、SIV、FIV、EIAV、AAV、アデノウイルス、レトロウイルスおよびヘルペスウイルスからなる群から選択される、請求項9に記載のベクター。
請求項11
前記ベクターが複製欠陥のあるレンチウイルス粒子である、請求項9に記載のベクター。
請求項12
CNS障害を治療する方法であって、それを必要とする個体の中枢神経系にウイルス発現ベクターの治療的有効量を投与することを含み、前記ベクターは、作動可能的に連結するポリペプチドの発現を誘導することができるプロモーター配列を含み、前記ポリペプチドは、哺乳動物細胞で機能することができるシグナルペプチド、およびヒト、マウスまたはラットのMANFポリペプチドを含む方法。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
US10034918B2|2018-07-31|Therapeutic use of a growth factor, METRNL
JP6141571B2|2017-07-12|Cnsを治療するための融合タンパク質
Sauer et al.1995|Glial cell line-derived neurotrophic factor but not transforming growth factor beta 3 prevents delayed degeneration of nigral dopaminergic neurons following striatal 6-hydroxydopamine lesion
JP2015221816A|2015-12-10|エリスロポエチン応答性細胞、組織及び器官の保護、回復ならびに増強
JP4524230B2|2010-08-11|遺伝的に改変された細胞を含む生体適合性免疫隔離カプセル
Gravel et al.1997|Adenoviral gene transfer of ciliary neurotrophic factor and brain-derived neurotrophic factor leads to long-term survival of axotomized motor neurons
KR100329409B1|2002-03-20|인간 골 형태발생 단백질을 사용한 신경 재생법
ES2401608T3|2013-04-23|Blastocitos CD34 mesenquimales para uso en terapia génica de diabetes
AU772778B2|2004-05-06|Novel inhibitors of angiogenesis and tumor growth
EP1377319B1|2010-09-08|Fusion proteins
Leker et al.2007|Long-lasting regeneration after ischemia in the cerebral cortex
JP4028598B2|2007-12-26|神経膠細胞系由来神経栄養因子(gdnf)タンパク質産物を使用する感覚神経性聴力損失及び前庭障害の予防及び治療方法
US5641749A|1997-06-24|Method for treating retinal ganglion cell injury using glial cell line-derived neurothrophic factor | protein product
US6043221A|2000-03-28|Method for preventing and treating hearing loss using a neuturin protein product
US9445991B2|2016-09-20|Methods, pharmaceutical compositions and articles of manufacture for administering therapeutic cells to the animal central nervous system
EP0863766B1|2000-07-19|Methods for treating injury or degeneration of photoreceptors using glial cell line-derived neurotrophic factor | protein product
Zhu et al.2011|Functional recovery after transplantation of neural stem cells modified by brain-derived neurotrophic factor in rats with cerebral ischaemia
EP0759067B1|2001-09-05|Transforming growth factor alpha h1
EP0670729B1|2001-08-16|Use of insulin-like growth factors and analogs for TREATING RETINAL NEURONAL DISORDERS
Harvey et al.2006|Gene therapy and transplantation in CNS repair: the visual system
Cao et al.2004|Olfactory ensheathing cells genetically modified to secrete GDNF to promote spinal cord repair
ES2342397T3|2010-07-06|Vector virico para su uso en terapia genica in vivo de la enfermedad de parkinson.
US9421245B2|2016-08-23|Targeted therapeutics
US20120142589A1|2012-06-07|Tissue-protective cytokines for the protection, restoration and enhancement of responsive cells, tissues and organs
KR101159858B1|2012-06-25|항분비 인자의 용도
同族专利:
公开号 | 公开日
CA2719582A1|2009-10-01|
CN102083456B|2015-12-02|
BRPI0909221A2|2015-08-11|
EP2271358A4|2011-03-30|
JP5951731B2|2016-07-13|
US20110212055A1|2011-09-01|
EP2271358B1|2018-11-21|
WO2009120810A3|2010-03-04|
CN102083456A|2011-06-01|
EP2271358A2|2011-01-12|
WO2009120810A2|2009-10-01|
JP2015025018A|2015-02-05|
US20190060402A1|2019-02-28|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-03-24| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120323 |
2012-03-24| A621| Written request for application examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120323 |
2013-09-18| A131| Notification of reasons for refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130917 |
2013-12-18| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20131217 |
2013-12-26| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20131225 |
2014-01-18| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140117 |
2014-01-27| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140124 |
2014-02-18| A601| Written request for extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20140217 |
2014-02-25| A602| Written permission of extension of time|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602 Effective date: 20140224 |
2014-03-18| A524| Written submission of copy of amendment under section 19 (pct)|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A524 Effective date: 20140317 |
2014-04-04| A521| Written amendment|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20140317 |
2014-07-02| A02| Decision of refusal|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20140701 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
[返回顶部]